内閣の権能とは、内閣が担当する行政上の権限や事務のことです。憲法65条は、行政権が内閣に属すると定めています。
憲法73条は、内閣が行う一般行政事務のほか、重要な事務を7項目に分けて示しています。ただし、これらは内閣の権能をすべて限定的に列挙したものではなく、重要なものを例として挙げた規定です。
憲法73条に定められた内閣の7つの権能
1 法律を誠実に執行し、国務を総理すること
内閣は、法律を誠実に執行し、国務を総理します。
2 外交関係を処理すること
内閣は、外交交渉など、外交関係に関する事務を処理します。
3 条約を締結すること
内閣は、条約を締結します。ただし、事前に、時宜によっては事後に、国会の承認を得なければなりません。
事前に国会の承認を得ることができない場合、内閣は条約を締結できず、条約は成立しません。なお、締結された条約を公布することは、天皇の国事行為とされています(憲法7条1号)。
4 国家公務員に関する事務を管理すること
内閣は、法律(国家公務員法)の定める基準に従い、官吏(国家公務員など)に関する事務を掌理します。
5 予算を作成して国会に提出すること
内閣は、予算を作成して国会に提出します。
6 政令を制定すること
内閣は、憲法および法律の規定を実施するために、政令を制定します。ただし、政令には、特に法律の委任がある場合を除き、罰則を設けることができません。
政令には、国務大臣の署名と内閣総理大臣の連署が必要です(憲法74条)。また、政令を公布することは、天皇の国事行為とされています(憲法7条1号)。
7 恩赦を決定すること
内閣は、恩赦を決定します。恩赦とは、犯罪を犯した人の刑罰の一部を消滅させるなどの制度です。
- 大赦
- 特赦
- 減刑
- 刑の執行の免除
- 復権
憲法73条以外にもある内閣の権能
内閣には、憲法73条に定められた権能のほか、最高裁判所長官を指名すること、その他の裁判官を任命すること、天皇の国事行為に助言と承認を与えることなどの権能もあります。
まとめ
憲法73条は、法律の誠実な執行と国務の総理、外交関係の処理、条約の締結、国家公務員に関する事務、予算の作成、政令の制定、恩赦の決定を内閣の権能として定めています。ただし、これらは内閣の権能をすべて限定するものではなく、重要な権能を例示した規定です。
