民法の体系とは?財産法と家族法の全体像をわかりやすく解説

民法は、私人同士の生活や財産に関する基本的なルールを定める法律です。規定する範囲が広いため、まずは民法を財産法と家族法に分けて考えると、全体像をつかみやすくなります。

民法とは?全体像をつかむための基本整理

民法は「私法」の一般法

民法は、私人と私人の関係を定める「私法」に分類されます。また、私人の生活に関する一般的なルールを扱うため、私法の「一般法」とされています。これに対し、商法や会社法は、商人や会社など特定の分野を対象とする法律です。一般法である民法と特別法である商法などの規定が異なる場合は、特別法が優先され、特別法に規定がない部分について民法が適用されます。

民法は5つの編で構成されている

民法は、次の5編から成り立っています。

  1. 第1編 総則
  2. 第2編 物権
  3. 第3編 債権
  4. 第4編 親族
  5. 第5編 相続

このうち、総則・物権・債権が財産法、親族・相続が家族法にあたります。

財産法とは?総則・物権・債権の関係

財産法は財産に関するルールを定める

財産法は、財産をめぐる権利や義務を定める分野です。財産に関する関係は、物を直接支配する関係と、特定の相手に何かを求める関係に分けて整理できます。

総則は財産法に共通する基本ルール

総則は、物権や債権などに共通する基本的な規定を置いています。法律行為や時効などが主な内容です。抽象的な規定が多いため、物権や債権の具体的な場面と関連づけると理解しやすくなります。

物権は「物」に対する権利

物権とは、土地・建物・自動車などの物に関する権利です。代表例である所有権は、物を使用したり、貸したり、売ったりすることができる権利です。

債権は「人」に対して何かを請求する権利

債権は、特定の相手に一定の行為を求める権利です。権利を持つ人を債権者、義務を負う人を債務者といいます。契約に基づく請求のほか、事務管理、不当利得、不法行為も債権に関係します。物権が「物に関する権利」であるのに対し、債権は「人に関する権利」です。

家族法とは?親族法と相続法の関係

親族法は家族・親族に関するルール

親族法は、親族の範囲や身分関係を定める分野です。婚姻、親子、親権、後見、保佐・補助、扶養などを扱います。

相続法は死亡後の財産に関するルール

相続法は、人が死亡した場合の相続の手続や遺言書の書き方に関するルールを定めます。相続人、相続の効力、相続の承認・放棄、遺言、遺留分、配偶者の居住の権利などが主な内容です。

まとめ|民法の体系は「財産法」と「家族法」に分けて理解する

民法は、私人同士の関係を規律する私法の一般法であり、総則・物権・債権・親族・相続の5編で構成されています。総則・物権・債権は財産法、親族・相続は家族法です。まずこの分類を押さえると、民法の各分野が全体のどこに位置するのかを理解しやすくなります。