契約の成立要件とは?申込みと承諾、契約方式の原則を解説

契約の成立要件は、原則として、当事者の一方が示した申込みと、相手方の承諾の内容が一致することです。民法上、契約は書面がなくても成立するのが基本ですが、法律に特別な定めがある場合などには例外があります。

契約の成立要件は「申込み」と「承諾」の合致

契約が成立する基本的な要件

申込みとは、契約の内容を示して、契約を結びたいと申し入れる意思表示です。相手方がその内容を承諾し、両者の意思表示が一致すると契約が成立します。成立後は、当事者が契約内容に従った権利や義務を負います。

契約の成立時期は原則として承諾の通知が到達した時

意思表示は、原則として相手方に到達した時に効力を生じます。そのため、契約は原則として、承諾の通知が申込者に到達した時に成立します。申込者の意思表示や取引上の慣習により承諾の通知が不要な場合は、承諾と認められる事実があった時に成立します。

申込みと承諾に関するルール

申込みには承諾期間の有無による違いがある

承諾期間を定めた申込みは、原則としてその期間中に撤回できません。ただし、申込者が撤回権を留保していた場合は撤回できます。期間内に承諾の通知が届かなければ申込みは効力を失い、期間後の承諾は、申込者が新たな申込みとみなすことができます。

承諾期間を定めていない申込みも、承諾通知を受けるための相当な期間が経過するまでは、原則として撤回できません。撤回権を留保していた場合は別です。また、対話中の相手方にした申込みは、対話が続いている間は撤回できます。対話が続いている間に承諾の通知を受けなければ、申込みは効力を失いますが、申込者が対話終了後も効力を失わない旨を表示した場合は別です。

申込みの内容を変更した承諾は契約成立にならない

承諾者が申込みに条件を付けたり、内容を変更したりした場合、元の申込みに対する承諾とはなりません。元の申込みを拒絶し、変更後の内容で新たに申込みをしたものと扱われます。したがって、元の申込者が改めて承諾する必要があります。

契約方式の原則と例外

原則として書面がなくても契約は成立する

法令に特別な定めがない限り、契約の成立に書面その他の方式は必要ありません。口頭の合意でも、申込みと承諾が一致すれば成立します。

合意だけで成立する「諾成契約」

申込みと承諾の合意だけで成立する契約を諾成契約といいます。売買契約や賃貸借契約などは、原則として目的物の引渡しがなくても合意によって成立します。

目的物の引渡しが必要な「要物契約」

合意に加えて目的物の引渡しが必要な契約を要物契約といいます。消費貸借は原則として要物契約ですが、書面による消費貸借契約は合意だけで成立する諾成契約です。

まとめ:契約成立要件のポイント

  • 原則は、申込みと承諾の内容が一致すること
  • 承諾通知が必要な場合、原則として通知が到達した時に成立する
  • 内容を変更した承諾は、新たな申込みとして扱われる
  • 契約は原則として書面がなくても成立する
  • 法律上の特別な方式や引渡しを必要とする例外がある