賃貸借契約が終了する主な事由は、契約期間の満了、解除・解約、賃借物の全部滅失などです。期間が終わって終了する場合と、契約期間の途中で終了する場合を分けて確認しましょう。
賃貸借契約が終了する主な事由
期間が満了した場合
期間の定めがある賃貸借契約は、原則として、契約書で定めた期間が終わると終了します。これは契約違反を理由とする「解除」とは異なります。期間の定めのない契約で解約を申し入れる場合や、期間の定めがある契約で期間内の解約権を留保している場合に、契約を終わらせるのが「解約」です。
解除・解約によって終了する場合
当事者が合意すれば、期間の途中でも賃貸借契約を終了できます。また、賃料不払いなどの債務不履行があり、当事者間の信頼関係が破壊されたといえる場合は、解除できることがあります。解除の効力は過去にさかのぼらず、原則として将来に向かって生じます。
期間の定めがない契約では、賃貸人または賃借人が解約を申し入れることで終了する場合があります。期間の定めがある契約でも、契約上、期間途中の解約権を留保していれば解約できます。
賃借物が滅失し、使用・収益できなくなった場合
建物や土地などの賃借物が全部滅失し、その他の事情によって使用・収益できなくなった場合、賃貸借契約は終了します。一部だけが使えなくなった場合も、残った部分では賃借した目的を達成できないときは、賃借人から解除できます。
解除・解約で賃貸借契約が終了するケース
賃貸人・賃借人の合意による解除
賃貸人と賃借人が終了に合意すれば、契約期間の途中でも契約を終えられます。これは、債務不履行を理由とする解除ではなく、双方の合意に基づく終了です。
債務不履行を理由とする解除
賃料を一度支払わなかったからといって、直ちに解除できるとは限りません。解除には、信頼関係が破壊されたと認められる程度の債務不履行が必要です。その程度に達している場合は、催告をしないで解除できることもあります。
賃借人または賃貸人から解約できるケース
- 賃借人が解約・解除できる場合:賃貸人が意思に反して保存行為をし、そのため賃借目的を達成できないとき、耕作・牧畜目的の土地で不可抗力により2年以上賃料を下回る収益しか得られないとき、賃借物の一部が使えず目的を達成できないとき
- 期間の定めがない契約で、賃借人が解約を申し入れたとき
- 期間の定めがある契約で、賃借人に期間途中の解約権があるとき
- 賃貸人が解約・解除できる場合:賃借人が無断で賃借権を譲渡・転貸したとき、期間の定めがない契約で解約を申し入れたとき、期間途中の解約権を留保しているとき
ただし、無断譲渡・無断転貸があっても、賃貸人との信頼関係を破壊しない特別な事情がある場合は、解除できないことがあります。
賃貸借契約の終了について知っておきたい注意点
契約当事者が亡くなっただけでは、原則として終了しない
賃貸人や賃借人が死亡しても、それだけで契約は終了しません。賃借人が死亡した場合、賃借権は相続人が相続します。
終了原因によって、終了時期や扱いが異なる
期間満了は定められた期間の終了によって生じます。解除は合意や債務不履行などを理由に将来に向かって契約を終わらせるものです。目的物の全部滅失などでは、使用・収益できなくなったことにより契約が終了します。解除できる場合と、当然に終了する場合を区別することが大切です。
まとめ
賃貸借契約の終了事由は、期間満了、解除・解約、賃借物の全部滅失などです。期間途中で終了できるかは、合意、債務不履行、解約権の留保などによって決まります。賃借物の一部が使えなくなり、賃借目的を達成できない場合は、賃借人から解除できることがあります。なお、当事者の死亡だけでは契約は終了しません。
