行政機関が、同一の行政目的を実現するため、一定の条件に該当する複数の者へ行政指導を行うことがあります。このとき、指導内容に共通して含まれるべき事項を定めることがあります。この基準が行政指導指針です。
行政指導指針とは
行政指導指針とは、行政手続法2条8号ニに定められた行政上の基準です。
具体的には、同一の行政目的を実現するため、一定の条件に該当する複数の者に行政指導をしようとする場合に、それぞれの行政指導に共通してその内容となるべき事項を示します。
行政指導指針は、行政機関の内部で用いられる準則です。法律の委任に基づいて国民の権利義務を定める法規命令とは異なり、法規としての性質を有するものではありません。
行政指導指針には公表義務があるのか
あらかじめ定める義務
行政機関が、同一の行政目的を実現するため、一定の条件に該当する複数の者に対して行政指導をしようとするときは、行政手続法36条により、あらかじめ、事案に応じて行政指導指針を定めることが求められます。
つまり、実際に個別の行政指導を始めてから場当たり的に基準を作るのではなく、共通して行政指導の内容となるべき事項をあらかじめ定めておく必要があります。
公表義務の原則と例外
定めた行政指導指針は、原則として公表しなければなりません。ただし、行政上特別の支障がある場合は、公表しないことが認められます。
したがって、行政指導指針については、次のように整理できます。
- 行政指導を行おうとするときは、あらかじめ事案に応じて指針を定める
- 定めた指針は、原則として公表する
- 行政上特別の支障がある場合は、公表しないことができる
「指針を定めること」と「指針を公表すること」は別のルールです。公表義務には例外がありますが、指針をあらかじめ定めることまで当然に免除されるわけではありません。
行政規則の外部化現象とは
行政規則とは、行政機関の内部だけで用いられる規範です。通常は行政組織の中で使われるものですが、行政指導指針のように、その内容を公表する場合があります。
このように、行政機関の内部の準則を公にすべきであるとすることを、行政規則の外部化現象といいます。
公にされた基準を遵守しなければ、平等原則違反の問題となり、違法性の問題も生じることがあります。
まとめ
- 行政指導指針とは、同一の行政目的のため、一定の条件に該当する複数の者に対する行政指導に共通してその内容となるべき事項です。
- 行政手続法2条8号ニに定義されています。
- 行政機関は、あらかじめ事案に応じて行政指導指針を定めます。
- 指針は、行政上特別の支障がない限り公表しなければなりません。
- 行政機関の内部の準則を公にすべきであるとすることが、行政規則の外部化現象です。
