処分等の求めとは?誰でもできる行政機関への申出制度を解説

処分等の求めとは

法令違反を是正するため、行政機関に対応を求める制度

処分等の求めとは、行政手続法36条の3に定められた申出制度です。法令に違反する事実がある場合に、その是正のために必要な処分または行政指導がされていないと思料するとき、行政機関に対応を求めることができます。

ここでいう「処分等」とは、次の2つです。

  • 違反を是正するための処分
  • 違反を是正するための行政指導

処分を求めるときは、その処分をする権限を持つ行政庁に申し出ます。行政指導を求める場合は、その行政指導をする権限を持つ行政機関に申し出ます。

申出ができるのは「何人」でもよい

申出ができるのは、法令上「何人」とされています。そのため、法令違反があり、是正のための処分や行政指導がされていないと思料する場合には、申出をすることができます。

ただし、求める処分や行政指導は、根拠となる規定が法律に置かれているものでなければなりません。

処分等の求めを利用できる主な要件

  • 法令に違反する事実があること
  • 違反を是正するための処分または行政指導があること
  • その処分または行政指導がまだされていないと思料すること
  • 処分等の根拠となる規定が法律に置かれていること

処分等の求めを申し出る方法と申出書の記載事項

申出書を行政庁または行政機関に提出する

処分等の求めは、必要事項を記載した申出書を提出して行います。提出先は、処分を求める場合は処分権限を持つ行政庁、行政指導を求める場合はその権限を持つ行政機関です。

申出書に記載する6つの事項

  1. 申出をする者の氏名または名称、住所または居所
  2. 法令に違反する事実の内容
  3. 求める処分または行政指導の内容
  4. その根拠となる法令の条項
  5. 処分等がされるべきであると思料する理由
  6. その他参考となる事項

申出を受けた行政機関の対応

行政機関は必要な調査を行う

申出を受けた行政庁または行政機関は、必要な調査を行います。ただし、申出をしただけで、直ちに求めた処分や行政指導が実施されるわけではありません。調査結果を踏まえて、対応の必要性が判断されます。

必要があると認めるときは処分または行政指導を行う

調査の結果、必要があると認められるときは、行政庁または行政機関は、求められた処分または行政指導をしなければなりません。処分等の求めは、行政機関に法令違反の是正を促す制度です。

「行政指導の中止等の求め」との違い

処分等の求めは、法令違反があるのに必要な処分や行政指導がされていない場合に、「何人」でも申し出られます。

これに対し、行政指導の中止等の求めは、法律を根拠とする行政指導を受けた相手方が、その行政指導が法律上の要件に適合しない場合に、中止などを求める制度です。両者は申出によって行政機関の対応を求める点は共通しますが、申出ができる人と対象となる場面が異なります。

まとめ

処分等の求めは、法令違反があるのに必要な処分や行政指導がされていない場合、行政機関に対応を求める制度です。申出は「何人」でもでき、申出書には、違反事実、求める処分等、根拠法令、理由などを記載します。行政庁または行政機関は必要な調査を行い、必要があると認めるときは処分または行政指導を行います。