二元代表制とは?地方自治体の首長と議会の関係をわかりやすく解説

二元代表制とは、地方自治体の首長と議会議員を、住民がそれぞれ直接選挙する仕組みです。首長と議会はそれぞれ独立して職務を行います。そのため、意見が対立する場合に備えて、再議や専決処分、不信任議決などの制度が設けられています。

二元代表制とは、首長と議会を住民がそれぞれ選ぶ仕組み

憲法に定められた地方自治体の代表制度

日本国憲法93条2項は、地方公共団体の長、議会の議員、法律で定めるその他の吏員を、その地方公共団体の住民が直接選挙すると定めています。

首長と議会議員の双方が住民から直接選ばれるため、この制度は「二元代表制」または「二元主義」と呼ばれます。

首長と議会はそれぞれ独立して職務を行う

首長と議会は、それぞれ独立して職務を行います。ただし、両者の意見が対立する可能性があるため、一定の場合に備えた制度が設けられています。

二元代表制における首長と議会の主な関係調整制度

再議:首長が議会に再審議を求める制度

再議とは、議会の議決に異議があるとき、首長が理由を示して議会にもう一度審議・議決を求める制度です。通常の再議は、議決の日から10日以内に行います。ただし、条例や予算は、議決の送付を受けた日から10日以内です。再議後に同じ議決がされると、その議決は確定しますが、条例や予算では出席議員の3分の2以上の同意が必要です。

また、議決や選挙が議会の権限を超えている、法令や会議規則に違反している場合、首長は再議や再選挙を行わせなければなりません。議決などがなお権限を超え、または法令や会議規則に違反すると認められるときは、都道府県の場合は総務大臣、市町村の場合は都道府県知事に、21日以内に審査を申し立てられます。裁定に不服があれば、裁定の日から60日以内に裁判所へ訴えを提起できます。

さらに、法令により自治体が負担する経費などを議会が削除・減額した場合、首長は理由を示して再議に付さなければなりません。それでも削除・減額の議決がされたときは、首長はその経費と、これに伴う収入を予算に計上して支出できます。

非常の災害による応急・復旧の施設に必要な経費や、感染症予防に必要な経費を議会が削除・減額した場合も、首長は再議に付さなければなりません。それでも削除・減額の議決がされたときは、首長はその議決を不信任の議決とみなすことができます。

専決処分:一定の場合に首長が議会の議決なしで処理する制度

専決処分は、本来は議会が議決すべき事件について、首長が議会の議決を経ずに処分する制度です。ただし、自由に利用できるわけではありません。

  • 議会が成立しないとき
  • 議会の議決すべき事件について、特に緊急を要し、議会を招集する時間的余裕がないことが明らかなとき
  • 議会が議決すべき事件を議決しないとき
  • 議会が専決処分を首長に委任したとき

委任に基づく専決処分は、次の会議で議会に報告します。それ以外の専決処分では、報告に加えて議会の承認を求めなければなりません。

対立が解消しない場合の不信任議決と議会の解散

議会による首長の不信任議決

再議や専決処分によっても対立が解消しない場合、議会は首長の不信任を議決できます。議長は、その結果を直ちに首長へ通知します。最初の不信任議決には、議員数の3分の2以上の出席と、出席議員の4分の3以上の同意が必要です。

首長による議会の解散と失職

不信任議決の通知を受けた首長は、通知の日から10日以内であれば議会を解散できます。期間内に議会を解散しないときは、首長は職を失います。

解散後に初めて招集された議会で、再び不信任議決がされ、その通知を受けた場合も首長は失職します。この2回目の不信任議決は、議員数の3分の2以上が出席し、出席議員の過半数が同意すれば成立します。不信任の理由には、特別な制限はありません。

まとめ:二元代表制では首長と議会が独立して職務を行う

二元代表制とは、首長と議会議員を住民がそれぞれ直接選挙する制度です。両者は独立して職務を行い、再議や専決処分によって意見の違いを調整します。それでも対立が続く場合には、不信任議決や議会の解散によって調整する仕組みが用意されています。