自治会や町内会などは、一定の要件を満たして市町村長の認可を受けると、「認可地縁団体」として法人格を取得できます。認可後は、規約で定めた目的の範囲内で、権利を有し、義務を負えるようになります。
ここでは、認可地縁団体の認可要件と、申請から認可後の対応までを解説します。
認可地縁団体とは?自治会が法人格を取得できる制度
認可地縁団体の意味
認可地縁団体とは、「町または字の区域その他市町村内の一定の区域」に住所を有する人の地縁に基づいてつくられた自治会や町内会などが、市町村長の認可を受けた団体です。
地域住民の連絡、環境整備、集会施設の維持管理など、地域的な共同活動を円滑に行うことを目的とします。認可されると、規約に定める目的の範囲内で、権利を有し、義務を負うことができます。
認可を受けても行政組織になるわけではない
認可は、自治会を市町村などの公共団体や行政組織の一部にするものではありません。認可後も、民主的かつ自主的に活動する地域団体として運営されます。
認可地縁団体の認可要件
認可を受けるには、次の4つの要件をすべて満たす必要があります。
地域的な共同活動を目的とし、実際に活動していること
住民相互の連絡、環境の整備、集会施設の維持管理など、良好な地域社会の維持・形成に役立つ地域的な共同活動を目的とし、現に活動していることが必要です。
区域が客観的に明らかであること
団体の活動区域は、住民から見て客観的に分かる形で定められていなければなりません。対象となる地域があいまいな場合は、この要件を満たせません。
区域内のすべての個人が構成員になれること
区域内に住所を有するすべての個人が、構成員になれるものとされている必要があります。また、その区域の相当数の人が実際に構成員となっていなければなりません。
認可後も、正当な理由がない限り、区域に住所を有する個人の加入を拒むことはできません。
法律上必要な事項を規約に定めていること
規約には、次の事項を定めます。
- 目的
- 名称
- 区域
- 主たる事務所の所在地
- 構成員の資格に関する事項
- 代表者に関する事項
- 会議に関する事項
- 資産に関する事項
認可地縁団体になるための手続と認可後の対応
市町村長に認可を申請する
4つの認可要件を満たした地縁による団体は、市町村長に認可を申請します。要件を満たしている場合、市町村長は認可をしなければなりません。
認可後は市町村長による告示が行われる
市町村長が認可すると、その旨や必要な事項が告示されます。告示によって、認可地縁団体であることや告示事項を第三者に主張できます。この告示が法人登記に代わるため、別途法人登記をする必要はありません。
認可後に守るべき基本ルール
- 民主的な運営のもとで自主的に活動する
- 構成員に不当な差別的取扱いをしない
- 特定の政党のために利用しない
告示事項に変更があった場合と認可取消し
告示された事項に変更が生じたときは、市町村長への届出が必要です。また、認可要件のいずれかを欠くことになった場合や、不正な手段で認可を受けた場合、市町村長は認可を取り消すことができます。
まとめ:認可要件を満たす自治会は市町村長の認可で法人格を取得できる
認可地縁団体とは、自治会や町内会などが市町村長の認可を受けた団体です。認可要件は、地域的な共同活動、明確な区域、住民の加入資格、必要事項を定めた規約の4つです。
要件を満たして申請すると、市町村長の認可と告示により法人格を取得できます。認可後は、変更の届出や民主的な運営などのルールを守る必要があります。
