法定受託事務の処理基準とは?大臣や都道府県の権限を解説

法定受託事務の処理基準とは、都道府県や市町村がその事務を処理するときに、よるべき基準をいいます。地方自治法245条の9は、処理基準を定められる者と、対象となる法定受託事務の範囲を定めています。

誰でも法定受託事務全般について基準を定められるわけではありません。国の各大臣と都道府県の執行機関では、対象となる事務や権限が異なります。

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法定受託事務の処理基準とは

処理基準は、法定受託事務を処理する際によるべき基準です。

ただし、基準を定める権限は、地方自治法245条の9によって限定されています。特に重要なのは、各大臣は、所管する法律またはこれに基づく政令に係る都道府県の法定受託事務について基準を定められる一方、市町村の事務については第1号法定受託事務に限られるという点です。

大臣が定められる法定受託事務の処理基準

都道府県の法定受託事務

各大臣は、自らが所管する法律またはその法律に基づく政令に係る都道府県の法定受託事務について、処理基準を定めることができます(地方自治法245条の9第1項)。都道府県は、その基準によって事務を処理します。

市町村の第1号法定受託事務

各大臣は、特に必要と認めるときに限り、市町村の第1号法定受託事務について処理基準を定められます(同条3項)。この要件があるため、常に大臣が市町村の事務の基準を定められるわけではありません。

なお、市町村の第2号法定受託事務について、大臣が処理基準を定めることはできません。また、市町村の第1号法定受託事務については、都道府県の執行機関が定める基準に関して、大臣が必要な指示をすることもできます(同条4項)。

都道府県の執行機関が定められる処理基準

都道府県知事

都道府県知事は、市町村長などの市町村の執行機関が担当する法定受託事務について、処理基準を定めることができます(同条2項1号)。ただし、市町村教育委員会と市町村選挙管理委員会が担当する事務は、知事の対象から除かれます。

都道府県教育委員会・選挙管理委員会

都道府県教育委員会は市町村教育委員会の担任事務について、都道府県選挙管理委員会は市町村選挙管理委員会の担任事務について、それぞれ処理基準を定められます(同条2項2号・3号)。

もっとも、都道府県の執行機関が定める基準は、大臣が定めた処理基準に抵触してはなりません。大臣の処理基準がある場合、都道府県の執行機関はそれと矛盾する基準を定められないという関係です。

大臣と都道府県の権限を整理すると

処理基準を定める者 対象となる事務 条件・注意点
各大臣 都道府県の法定受託事務 所管する法律・政令に係る事務
各大臣 市町村の第1号法定受託事務 特に必要と認めるとき
都道府県知事 市町村の法定受託事務 教育委員会・選挙管理委員会の担任事務を除く
都道府県教育委員会 市町村教育委員会の法定受託事務 大臣の基準に抵触できない
都道府県選挙管理委員会 市町村選挙管理委員会の法定受託事務 大臣の基準に抵触できない

このように、法定受託事務の処理基準は、担当する地方公共団体の規模だけでなく、事務を担当する機関や、第1号・第2号の区分によって、誰が定められるかが決まります。