市町村長・知事の解職請求とは?リコールの要件と手続を解説

市町村長や知事の解職請求とは、選挙権を有する者が一定数の連署を集め、任期途中で長を辞めさせるかどうかを選挙人の投票に付す制度です。

ただし、署名を集めて請求しただけで、直ちに市町村長や知事が失職するわけではありません。最終的に選挙人の投票で過半数の同意が必要です。

市町村長・知事の解職請求とは

普通地方公共団体の「長」を解職するための直接請求

対象となるのは、都道府県知事と市町村長です。その地方公共団体の選挙権を有する者が、一定数以上の連署(署名)を集め、選挙管理委員会に対して請求します。

このように、住民が代表者を通さずに政治に関与する仕組みを、直接請求といいます。

請求しただけでは長は失職しない

解職請求がなされても、その時点で長の職を失うことはありません。選挙管理委員会による手続を経て選挙人の投票に付され、過半数の同意があった場合に失職します。

解職請求の要件

請求できるのは選挙権を有する者

解職請求には、対象となる地方公共団体の選挙権を有する者による連署が必要です。署名を集めて請求する代表者も、選挙権を有する者であることが前提です。

必要な署名数は原則3分の1以上

必要な署名数は、選挙権を有する者の総数の原則として3分の1以上です。ただし、選挙権を有する者が多い地方公共団体では、次の緩和措置があります。

  • 40万人を超え80万人以下の場合:40万人の3分の1に、40万人を超える部分の6分の1を加えた数
  • 80万人を超える場合:40万人の3分の1、次の40万人の6分の1、80万人を超える部分の8分の1を合算した数

したがって、実際の必要数は、その地方公共団体の選挙権を有する者の総数を基準に計算します。

一定期間は解職請求が制限される

無投票当選以外で当選して就職した日から1年間は、解職請求ができません。また、解職請求に基づく投票が行われた日から1年間も、再度の請求は制限されます。

市町村長・知事の解職請求の手続

請求代表者が署名を集めて選挙管理委員会に請求する

請求代表者は必要な数の署名を集め、対象となる地方公共団体の選挙管理委員会に解職を請求します。

選挙管理委員会が請求の要旨を公表する

選挙管理委員会は、解職請求の要旨を公表したうえで、請求を選挙人の投票に付します。

選挙人の投票で過半数の同意があると失職する

投票の対象は、その地方公共団体の選挙人です。投票で過半数の同意があれば、知事または市町村長は職を失います。過半数の同意が得られなければ、解職請求によって失職することはありません。

まとめ

  • 解職請求は、知事や市町村長を任期途中で辞めさせるか選挙人の投票に付す制度です。
  • 請求には、選挙権を有する者の総数の原則3分の1以上の署名が必要です。
  • 請求先は選挙管理委員会で、要旨の公表後に選挙人の投票に付されます。
  • 選挙人の投票で過半数の同意があった場合に、長は失職します。
  • 就職後や前回の投票後には、1年間の請求制限があります。