払込取扱機関の責任とは?預合いによる仮装払込みと銀行の義務を解説

株式会社の設立では、設立時募集株式の引受人が、発起人の定めた銀行などの払込みの取扱いの場所で、設立時募集株式の払込金額の全額を払い込みます。発起人は、設立時募集株式の払込みの取扱いをした銀行などの払込取扱機関に対し、出資の払込金保管証明書の交付を請求できます。

しかし、発起人と払込取扱機関が通謀し、払込みがあったように仮装することがあります。これが「預合い」です。預合いによる仮装払込みがあった場合、払込取扱機関はどのような責任を負うのでしょうか。

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預合いによる仮装払込みとは

預合いの意味

預合いとは、発起人が払込取扱機関から金銭を借り、その金銭を出資の払込みに充てたうえで、借入金を返済するまで払込金を引き出さないと約束することです。

預合いは、発起人と払込取扱機関が通謀して行う、払込みを仮装する行為です。

仮装払込みとの関係

仮装払込みとは、「見せ金」など、発起人が銀行等からの借入金によって出資を行い、株式会社成立後に当該出資を引き出して借入金を返済する行為などを指します。預合いは、仮装払込みの一類型です。

預合いを行った払込取扱機関の責任

払込金保管証明書を交付する仕組み

発起人は、設立時募集株式の払込みの取扱いをした銀行などの払込取扱機関に対し、出資の払込金保管証明書の交付を請求できます(会社法64条1項)。

成立後の株式会社に預合いを主張できない

払込みが預合いによって仮装されたものであった場合でも、証明書を交付した払込取扱機関は、その事実を成立後の株式会社に対抗できません(会社法64条2項)。

したがって、発起人との間に借入金の返済まで払込金を引き出さない約束があったとしても、そのことを成立後の株式会社に主張することはできません。

証明した金額を会社に引き渡す義務

払込取扱機関は、預合いによる仮装払込みであっても、証明した払込金額を成立後の株式会社に引き渡す義務を負います(会社法64条2項、965条)。

たとえば、銀行が発起人に金銭を貸し付け、その金銭を出資の払込みに充てたうえで、払込金保管証明書を交付したとします。この場合でも、銀行は証明した払込金額を成立後の株式会社に引き渡す義務を負います。

まとめ

  • 預合いは、借入金を出資の払込みに充て、返済まで払込金を引き出さないと約束する行為です。
  • 預合いは、払込みを仮装する行為です。
  • 払込取扱機関は、預合いだったことを成立後の株式会社に主張できません。
  • 払込取扱機関は、証明した払込金額を成立後の株式会社に引き渡す義務を負います。