単独株主権と少数株主権の違いとは?具体例で解説

株主の権利には、1人の株主にも認められるものと、一定数または一定割合以上の議決権を持つ株主に限って認められるものがあります。前者が単独株主権、後者が少数株主権です。

両者の違いは、法律上定められた議決権個数または割合の要件を満たす必要があるかどうかにあります。なお、少数株主権の要件は権利ごとに異なるため、個別の確認が必要です。

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単独株主権と少数株主権の意味

単独株主権とは

単独株主権とは、1株主にも認められる権利です。他の株主と合わせて一定割合以上の株式を保有しなくても行使できます。

代表例として、次の権利があります。

  • 剰余金の配当請求権・残余財産分配請求権(会社法105条)
  • 株主総会への出席・議決権
  • 定款、株主名簿、株主総会議事録などの閲覧・謄写請求権
  • 株主総会における議案提案権(会社法304条)
  • 取締役の違法行為差止請求権(会社法360条)
  • 株主総会決議取消しの訴え(会社法831条)
  • 代表訴訟(会社法847条)

少数株主権とは

少数株主権とは、一定の議決権個数、または総株主の議決権に占める一定割合以上を保有する株主に認められる権利です。1人の株主であっても、法律上の要件を満たさなければ行使できません。

たとえば、株主総会招集請求権(会社法297条)、株主総会の議題提案権・議案通知請求等、検査役選任請求権、会計帳簿の閲覧・謄写請求権、役員等の解任請求権、会社解散請求権などがあります。必要な保有割合や議決権数は、権利によって異なります。

単独株主権と少数株主権の違い

比較項目 単独株主権 少数株主権
行使できる株主 1株主 一定の議決権個数・割合以上を保有する株主
持株要件 原則として特別な割合要件は不要 権利ごとの法定要件を満たす必要がある
主な例 配当請求、議決権、議案提案、代表訴訟 株主総会招集請求、会計帳簿閲覧、役員解任請求

具体例で見る違い

たとえば、Z株式会社の株式を1株保有するAさんは、株主総会に出席して議決権を行使したり、会社に配当を請求したりできます。これは、単独株主権に当たるためです。

一方、Bさんが株主総会の招集を会社に求めたり、会計帳簿の閲覧・謄写を請求したりするには、単に株主であるだけでは足りません。それぞれの権利について定められた議決権数や保有割合を満たす必要があります。

理解する際の注意点

単独株主権は、「1株あれば、すべての株主権を行使できる」という意味ではありません。株式の種類や議決権の有無によって、認められる権利の内容が異なる場合があります。

また、少数株主権も、少数派の株主であれば誰でも行使できるわけではありません。権利ごとの要件を確認することが重要です。

なお、株主権には、配当などの経済的利益を受ける自益権と、会社経営への参加・監督に関する共益権があります。単独株主権と少数株主権は、これらとは別の分類です。