子会社による親会社株式の取得は禁止?例外と処分義務を解説

子会社が親会社の株式を取得することはできるのでしょうか。結論として、子会社による親会社株式の取得は、会社法上、原則として禁止されています。

ただし、他の会社の事業の全部を譲り受けた場合や、合併などの結果として親会社株式を取得した場合には、例外が認められます。もっとも、例外的に取得した株式も、いつまでも保有できるわけではありません。この記事では、禁止の理由、取得が認められるケース、取得後の処分義務を説明します。

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子会社による親会社株式の取得は原則として禁止されている

親会社と子会社の関係

親会社とは、他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する会社をいいます。親会社に議決権を保有されている会社が子会社です(会社法2条3号・4号)。

たとえば、C株式会社がD株式会社の議決権の過半数を持っている場合、C社が親会社、D社が子会社となります。このとき、D社がC社の株式を取得することが問題になります。

取得禁止のルールとその理由

子会社は、原則として親会社の株式を取得できません(会社法135条1項)。

この規制には、主に2つの理由があります。1つ目は、親会社が自社の株式を子会社に持たせることで、親会社の資本が実質的に空洞化することを防ぐためです。2つ目は、親会社の影響を受ける子会社が、親会社の意向に沿って不当な議決権行使をすることを防ぐためです。

ただし、これはすべての取得を例外なく禁止する規定ではありません。一定の事情がある場合には、例外的に取得が認められます。

親会社株式の取得が例外的に認められるケース

子会社が自ら購入するなど、親会社株式の取得を目的とした通常の取引は原則として認められません。一方、他の会社の事業の全部を譲り受けた場合や、合併などに伴って取得する場合は、会社法135条2項の例外に該当することがあります。

他の会社の事業の全部を譲り受けた場合

子会社が他の会社から事業の全部を譲り受け、その会社が保有していた親会社株式も引き継ぐケースです。この場合、親会社株式を取得すること自体が目的ではなく、事業全体の承継に伴って取得するため、例外的に認められます。

合併などによって取得した場合

他の会社との合併などにより、相手会社が保有していた親会社株式を承継する場合も、例外となります。ただし、例外は親会社株式を自由に保有し続けてよいという意味ではありません。

例外的に取得した親会社株式には処分義務がある

相当の時期に処分しなければならない

例外的に取得した親会社株式についても、子会社がそのまま保有し続けることは認められません。子会社は、取得した親会社株式を相当の時期に処分しなければなりません(会社法135条3項)。

原則禁止と例外後の処分義務を整理する

  • 原則:子会社は親会社株式を取得できない
  • 例外:他の会社の事業の全部の譲受けや合併などに伴う取得は認められる
  • 取得後:例外的に取得した場合でも、相当の時期に処分しなければならない

つまり、「取得できるか」と「取得後も保有できるか」は別の問題です。例外に該当しても、継続保有が当然に認められるわけではありません。

まとめ

子会社による親会社株式の取得は、会社法135条1項により原則禁止されています。これは、親会社の資本の空洞化や、親会社に操作された不当な議決権行使を防ぐためです。

一方、他の会社の事業の全部を譲り受けた場合や、合併などに伴って取得した場合は、例外的に取得が認められます。ただし、その場合でも、子会社は親会社株式を相当の時期に処分しなければなりません。判断のポイントは、通常の取得なのか、他の会社の事業の全部の譲受けや合併などに伴う取得なのか、そして取得後に相当の時期に処分したかという点です。