監査役は、取締役などが適切に職務を行っているかを監査し、会社経営の適正を確保する役員です。主な権限には、業務監査権、会計監査権、報告請求・調査権、取締役の行為に対する差止請求権などがあります。
監査役とは?業務監査と会計監査を行う役員
監査役の役割
監査役は、株主総会で選任され、取締役や会計参与の職務執行を監査し、監査報告を作成します。
監査役の監査の範囲
原則として、監査役には次の2つの監査権限があります。
- 業務監査権:取締役などの職務執行を監査する権限
- 会計監査権:計算書類などを監査する権限
ただし、公開会社でない株式会社では、定款によって監査役の監査範囲を会計監査に限定できます。この場合、監査役の権限は会計監査に限られます。
監査役の主な権限
取締役などへの報告請求・業務財産調査権
監査役は、いつでも取締役や使用人に対して報告を求められます。また、必要があるときは、会社の業務や財産の状況を調査できます。子会社についても、必要に応じて報告を求めたり、業務・財産の状況を調査したりできます。
取締役会への出席・報告に関する権限
監査役には、取締役会への出席・意見陳述義務や、取締役会への報告義務があります。
必要がある場合、監査役は取締役に取締役会の招集を請求できます。請求日から5日以内に、請求日から2週間以内の日を開催日とする招集通知が発せられなければ、監査役が自ら取締役会を招集できます。
株主総会での報告など
監査役には、株主総会における報告義務があります。また、監査の結果を監査報告にまとめます。
その他の主な権限
監査役には、会社と取締役との訴訟で会社を代表する権限や、会社法が定める各種の訴えを提起する権限もあります。
監査役の差止請求権とは?
差止請求権を行使できる要件
監査役は、取締役の行為によって会社に著しい損害が生じるおそれがあるとき、その行為をやめるよう請求できます。
差止請求権を行使するには、会社に著しい損害が生じるおそれがあることが必要です。
差止請求権の位置づけ
差止請求権は、損害が発生した後に責任を追及するのではなく、重大な損害が生じる前に取締役の行為を止めるための制度です。業務監査を実効的にする重要な権限といえます。
まとめ|監査役の権限は会社の適正な運営を確保するためのもの
監査役には、業務監査権と会計監査権を基本として、報告請求・調査権、取締役会や株主総会での報告権限、差止請求権などがあります。ただし、公開会社でない株式会社では、定款により会計監査に限定される場合があります。監査役の具体的な権限を確認するには、会社法だけでなく定款の内容も確認することが大切です。
