指名委員会等設置会社の取締役の権限・資格・任期を解説

指名委員会等設置会社では、取締役と執行役の役割が分けられています。取締役は取締役会を通じて監督を行い、会社の業務執行は執行役が行います。ここでは、指名委員会等設置会社の取締役について、権限、資格、任期を解説します。

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指名委員会等設置会社の取締役とは

指名委員会等設置会社とは、定款の定めによって、指名委員会・監査委員会・報酬委員会を設置する株式会社です(会社法2条12号、326条2項)。

この会社では、取締役会が監督を行い、執行役が業務を執行します。そのため、一般的な株式会社の取締役とは異なり、取締役は会社の業務を執行できません。

指名委員会等設置会社の取締役の権限

取締役は原則として業務を執行できない

指名委員会等設置会社では、会社の業務執行は執行役の専権に属します。そのため、取締役は会社の業務を執行できません(会社法415条)。また、取締役の中から代表取締役や業務執行取締役を選定することもできません。

ただし、取締役が執行役を兼ねることは禁止されていません。この場合、その者は取締役としてではなく、執行役の立場で業務を執行します。

取締役会を通じて執行役を監督する

取締役会は、業務執行に関する決定と、取締役・執行役の職務執行の監督を行います(会社法416条)。法律上、一定の専決事項を除き、業務執行に関する決定を執行役へ委任することも可能です。

したがって、取締役の中心的な役割は、自ら業務を行うことではなく、取締役会の構成員として執行役の業務を監督することです。

指名委員会等設置会社の取締役の資格と任期

取締役の被選任資格

取締役は、当該会社の支配人その他の使用人を兼ねることができません(会社法331条4項)。

一方、執行役との兼任は認められています。したがって、取締役が執行役を兼ね、執行役として業務を行うことは可能です。

監査委員を兼ねる場合の制限

取締役が監査委員に選定される場合は、さらに厳しい兼任制限があります(会社法400条4項)。監査委員は、次の職務を兼ねることができません。

  • 当該会社の執行役または業務執行取締役
  • 当該会社の子会社の執行役、業務執行取締役、会計参与、支配人その他の使用人

取締役の任期

任期は、選任後1年以内に終了する事業年度のうち、最終のものに関する定時株主総会の終結時までです(会社法332条6項)。定款または株主総会の決議で任期を短縮することはできますが、伸長することはできません。

まとめ

  • 取締役は原則として業務を執行せず、取締役会を通じて監督を行う。
  • 支配人その他の使用人との兼任はできないが、執行役との兼任は可能である。
  • 監査委員を兼ねる取締役には、執行役などとの追加の兼任制限がある。
  • 任期は原則1年以内で、短縮はできるが伸長はできない。