持分会社の持分譲渡とは?社員の承諾が必要な場合を解説

持分会社の持分を他人に譲渡する場合、原則として、譲渡する社員以外の社員全員の承諾が必要です。ただし、一定の要件を満たす有限責任社員については、業務執行社員全員の承諾で足りる場合があります。

この記事では、持分会社の持分譲渡について、誰の承諾が必要になるのかを解説します。

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持分会社の持分譲渡とは

持分会社における「持分」の意味

持分会社とは、合名会社・合資会社・合同会社のことです。株式会社では出資者の地位が株式で表されますが、持分会社では、社員の地位が社員1人につき1個の「持分」として表されます。

持分会社では社員の個性が重視されるため、株式会社の株式のように自由に譲渡できるものではありません。

持分は全部または一部を譲渡できる

社員は、自分が持つ持分の全部だけでなく、一部を他人に譲渡することもできます。ただし、会社法上、原則として他の社員の承諾を得なければなりません。

持分譲渡は原則として他の社員全員の承諾が必要

原則:他の社員全員の承諾を得る

持分会社では、社員の個性が重視されるため、各社員は、他の社員全員の承諾がなければ、持分の全部または一部を他人に譲渡できません(会社法585条1項)。

ここでいう「他の社員全員」とは、持分を譲渡する本人を除く社員全員です。譲渡する持分が全部であるか一部であるかによって、承諾の要否が変わることはありません。

例外的に業務執行社員全員の承諾で足りる場合

例外の要件

次の要件をすべて満たす場合は、他の社員全員ではなく、業務執行社員全員の承諾で持分を譲渡できます(会社法585条2項)。

  • 定款で業務執行社員を定めている
  • 持分を譲渡する社員が、業務を執行しない有限責任社員である
  • 業務執行社員全員が承諾する

例外でも承諾が不要になるわけではない

この例外は、持分譲渡について承諾を不要にする制度ではありません。承諾する相手が、他の社員全員から業務執行社員全員に変わるだけです。

譲渡する社員が業務執行社員である場合や、業務を執行しない有限責任社員であっても定款に業務執行社員の定めがない場合は、原則どおり他の社員全員の承諾が必要です。

原則と例外の整理

譲渡する社員 必要な承諾
原則 譲渡する社員以外の社員全員
定款で業務執行社員を定めており、業務を執行しない有限責任社員が譲渡する場合 業務執行社員全員

持分譲渡で確認すべき承諾のポイント

  • 会社の種類だけでなく、定款に業務執行社員の定めがあるか確認する
  • 譲渡する社員が業務執行社員か、業務を執行しない有限責任社員かを確認する
  • 一部譲渡であっても承諾が必要であることに注意する
  • 原則または例外に応じて、必要な社員全員から承諾を得る

まとめ

  • 持分会社の持分は、全部または一部を譲渡できる
  • 原則として、譲渡する社員以外の社員全員の承諾が必要
  • 定款で業務執行社員を定めている場合に、業務を執行しない有限責任社員が譲渡するときは、業務執行社員全員の承諾で足りる
  • 例外でも、持分譲渡について承諾自体が不要になるわけではない