簡易裁判所とは、民事事件・刑事事件のうち、比較的軽い事件を主に扱う裁判所です。民事事件では訴訟の目的の価額、刑事事件では罪の種類や刑罰によって、簡易裁判所が第1審を担当するかどうかが決まります。
ここでは、簡易裁判所の位置づけ、取り扱う民事・刑事事件、少額訴訟や支払督促などの手続について説明します。
簡易裁判所とは
簡易裁判所の位置づけ
日本の裁判所は、最高裁判所と下級裁判所に分けられます。簡易裁判所は、地方裁判所・家庭裁判所・高等裁判所と同じく、下級裁判所の一つです。
民事事件では、訴訟の目的の価額が140万円を超えない請求事件について、第1審を担当します。訴訟の目的の価額が140万円を超える民事事件は、原則として簡易裁判所の管轄ではありません。このように、民事事件では訴訟の目的の価額を基準に第1審を担当する裁判所が分かれます。
刑事事件では、罰金以下の刑に当たる罪や、選択刑として罰金が定められている罪など、比較的軽い罪の第1審を扱います。簡易裁判所の事件は、すべて1人の裁判官が取り扱います。
簡易裁判所の判決に不服がある場合
簡易裁判所の判決に不服がある場合、控訴先は事件の種類によって異なります。民事事件では地方裁判所、刑事事件では高等裁判所に控訴します。つまり、簡易裁判所は主に第1審を担当する裁判所です。
簡易裁判所が扱う民事事件
訴訟の目的の価額が140万円以下の民事訴訟
簡易裁判所は、訴訟の目的の価額が140万円を超えない民事事件の第1審を扱います。訴訟の目的の価額が140万円を超える請求は、原則として地方裁判所が第1審を担当します。
少額訴訟
少額訴訟は、60万円以下の金銭の支払いを求める場合に利用できる手続です。原則として審理を1回で終え、直ちに判決を言い渡す点に特徴があります。
ただし、同じ簡易裁判所で同じ年に申し立てられる回数には上限があり、最高裁判所規則では10回とされています。また、少額訴訟を利用できるのは、金銭の支払いを求める請求に限られます。
支払督促
支払督促は、金銭、その他の代替物、有価証券の一定数量の給付を求める場合に利用できる手続です。債権者の申立てを受け、裁判所書記官が支払督促を発します。通常の民事訴訟とは異なる、簡易裁判所で利用できる請求手続です。
簡易裁判所が扱う刑事事件
簡易裁判所は、罰金以下の刑に当たる罪や、選択刑として罰金が定められている罪など、比較的軽い罪の第1審を担当します。
簡易裁判所は、原則として拘禁刑を科すことができません。ただし、法律上の一定の場合には、3年以下の拘禁刑を科すことができます。
刑事事件の判決に不服がある場合は、高等裁判所に控訴できます。
まとめ
- 簡易裁判所は、民事・刑事の比較的軽い事件を扱う下級裁判所である
- 民事事件では、訴訟の目的の価額が140万円を超えない請求事件が基本的な管轄である
- 60万円以下の金銭請求では、少額訴訟を利用できる場合がある
- 金銭請求などでは、支払督促を利用できる
- 刑事事件では、罰金以下の刑に当たる罪などを扱う
- 簡易裁判所の事件は、1人の裁判官が取り扱う
