外国人に入国・在留・再入国の自由はある?判例をもとに解説

外国人にも、権利の性質上可能な限り、日本国憲法の人権保障は及びます。ただし、すべての人権が日本人と同じように保障されるわけではありません。国家の主権や国民との関係から、外国人には保障されない権利もあります。

入国・在留・再入国の自由について、最高裁判例は、外国人に憲法上の権利として保障されないと考えています。

外国人の入国・在留・再入国の自由は保障されない

  • 入国の自由:外国人には憲法上保障されない
  • 在留の自由:日本に滞在し続ける権利は憲法上保障されない
  • 再入国の自由:出国後に日本へ戻る権利も憲法上保障されない

これは、外国人の入国や在留が常に禁止されるという意味ではありません。入国や在留を当然に要求できる、憲法上の権利が認められていないという意味です。

入国と在留の自由が認められない理由

国際慣習法上、外国人を自国に入国させるかどうかは、国家の主権に属すると考えられています。この考え方を示したのが、最大判昭和32年6月19日です。

入国の自由が保障されない以上、外国人が日本に在留し続ける自由も、憲法上当然に認められるものではありません。

マクリーン事件

最大判昭和53年10月4日(マクリーン事件)は、在留期間の更新を申請した外国人について、在留中の政治活動などを理由とする不許可処分が争われた事件です。

最高裁は、在留外国人にも、一定の範囲で政治活動の自由に関する憲法上の保障が及ぶとしました。一方で、外国人には日本に在留する権利や、在留を継続するよう求める権利は保障されないと判断しています。

たとえば、在留中の外国人が人権保障を理由に在留期間の更新を申請しても、人権が保障されていることだけを根拠として、必ず更新されるわけではありません。在留中の活動に関する人権保障と、在留を続けられるかどうかは別の問題です。

再入国の自由が認められない理由

外国人の出国の自由は、憲法22条2項を根拠に認められています。しかし、出国できることと、出国後に日本へ戻れることは同じではありません。

森川キャサリーン事件

最判平成4年11月16日(森川キャサリーン事件)は、日本に在留する外国人が、海外へ一時的に出た後の再入国を求めた事案です。最高裁は、在留外国人には、憲法上、外国へ一時旅行する自由が保障されているものではないと判断しました。

したがって、外国人は日本から出国する自由を持つとしても、海外に出た後、当然に日本へ再入国できる憲法上の権利まで持つわけではありません。

まとめ

外国人にも、性質上可能な限り憲法上の人権保障は及びます。しかし、判例上、入国の自由、在留を継続する自由、再入国の自由は、憲法上保障されていません。入国の可否は国家の主権に関わり、在留や再入国についても、外国人が憲法上当然に要求できるものではないと整理できます。