国費の支出と債務負担行為にはなぜ国会の議決が必要なのか

憲法85条は、国費の支出や国が債務を負担することについて、国会の議決に基づくことを求めています。

その理由は、国の財政を国民の代表である国会のコントロール下に置く財政民主主義にあります。以下、国費の支出と債務負担行為の意味、国会の議決が必要とされる理由を説明します。

国費の支出と債務負担行為とは

国費の支出とは

国費の支出とは、国が現金を支払うことです。

債務負担行為とは

債務負担行為とは、国が債務を負担することです。ここでは、国が借金をすることを意味します。

国会の議決が必要な理由は「財政民主主義」にある

憲法83条が定める財政民主主義

憲法83条は、国の財政を処理する権限について、国会の議決に基づいて行使しなければならないと定めています。

これは、国家の財政を国民の代表である国会のコントロール下に置こうとするものです。これが財政民主主義です。

憲法85条による具体化

憲法85条は、国費を支出し、又は国が債務を負担するには、国会の議決に基づくことを必要とすると定めています。

つまり、国が現金を支払う場合だけでなく、国が借金をする場合にも、国会の議決が必要です。

予算と予備費

内閣が予算を作成し、国会が議決する

予算とは、国の収入と支出の予定です。憲法86条により、内閣は毎会計年度の予算を作成して国会に提出し、審議と議決を経なければなりません。

予備費

予算作成時に予見し難い予算の不足にあてるため、憲法87条は予備費を設けることを認めています。

ただし、予備費を設けるには、あらかじめ国会の議決が必要です。予備費の支出は内閣の責任で行えますが、支出後には国会の承諾を得なければなりません。

まとめ

  • 国費の支出は、国が現金を支払うことです。
  • 債務負担行為は、国が債務を負担することであり、ここでは借金をすることを意味します。
  • 国会の議決が必要なのは、国の財政を国民の代表である国会のコントロール下に置く財政民主主義のためです。
  • 憲法85条は、国費の支出と国の債務負担の双方に、国会の議決を求めています。
  • 予備費は、設ける際に国会の議決が必要であり、支出後には国会の承諾を得なければなりません。