公立病院の診療費の消滅時効は何年?私立病院との違いを解説

公立病院の診療費については、地方自治法が定める公法上の債権の消滅時効が適用されるのかが問題となります。

最高裁判所は、公立病院の診療に関する債権について、私立病院の診療と本質的な差異はなく、その法律関係は本質上私法関係であると判断しています。

公立病院の診療費について判断した最高裁判例

最高裁平成17年11月21日判決は、公立病院の診療に関する債権について、地方自治法236条1項所定の5年ではなく、当時の民法170条1号により3年と判断しました。

つまり、公立病院の診療費であっても、公法上の債権として地方自治法の5年が適用されるのではなく、診療に関する法律関係が本質的に私法関係であることから、民法の規定によるとされたものです。

現在は当時の「3年の短期消滅時効」は廃止されている

最高裁判決が適用した民法170条1号の3年の短期消滅時効は、現在の民法では廃止されています。

そのため、現在の公立病院の診療費について、過去の判例だけを根拠に一律に「3年」と判断することはできません。

公立病院と私立病院の違い

公立病院における診療は、私立病院における診療と本質的な差異がないとされています。したがって、診療に関する法律関係が本質上私法関係であるという点では、公立病院と私立病院に違いはありません。

公立病院だからという理由だけで、地方自治法236条1項の5年が適用されるわけではない点に注意が必要です。

まとめ

最高裁判所は、公立病院の診療に関する債権について、地方自治法上の5年ではなく、当時の民法に基づく3年の消滅時効が適用されると判断しました。

もっとも、当時の民法に定められていた診療費などの3年の短期消滅時効は、現在の民法では廃止されています。そのため、現在の診療費について、過去の判例が示した「3年」をそのまま適用することはできません。