課徴金とは、違法行為などにより、法が予定しないような利得を得た場合に、その利益を国庫に納入させるものです。刑事罰と同じように金銭の支払いを伴うことがありますが、趣旨・目的や手続は異なります。
課徴金とは
課徴金の意味
課徴金は、違法行為などにより法が予定しないような利得を得た場合に、その利益を国庫に納入させる制度です。行政上の強制執行とは異なる、行政上の強制手段の一つです。
課徴金制度は、独占禁止法や金融商品取引法などに定められています。課徴金が科される要件や金額は、それぞれの法律によって定められています。
課徴金制度の基本的な目的
課徴金は、違法行為などによって得た利益を国庫に納入させることを目的とするものです。これに対して、刑事罰は、違反者の不正行為の反社会性や反道徳性に着目して制裁として科されるものであり、趣旨・目的が異なります。
課徴金と刑事罰の違い
目的の違い
課徴金は、違法行為などによって得た利益を国庫に納入させるものです。一方、刑事罰は、犯罪行為の反社会性・反道徳性に着目して制裁を科すものです。
そのため、どちらも金銭の支払いを伴う場合があっても、課徴金と刑事罰は同じ性質の制度ではありません。
手続の違い
課徴金の賦課と刑事罰は、その趣旨・目的・手続などを異にします。刑事罰は、原則として刑法総則が適用され、裁判所において刑事訴訟法の定める手続によって科されます。
課徴金と刑事罰の併科が認められる理由
憲法39条の「二重処罰の禁止」との関係
憲法39条は、同じ犯罪について、重ねて刑事上の責任を問うことを禁止しています。もっとも、課徴金の賦課と刑事罰は、その趣旨・目的・手続などを異にするため、同じ行為を対象とする場合でも、直ちに二重処罰に当たるわけではありません。
課徴金は行政上の措置であり、刑事罰は刑罰です。両者は趣旨・目的・手続などが異なるため、同じ違法行為について課徴金と刑事罰を併科しても、憲法39条の二重処罰の禁止には違反しません。
判例の考え方
最高裁判所平成10年10月13日判決は、課徴金の賦課と刑事罰は、その趣旨・目的・手続などを異にするため、併科しても憲法39条の二重処罰の禁止に違反しないと判断しています。
したがって、同一の違法行為について、課徴金の納付に加えて刑事罰が科される場合があります。課徴金が科される要件などは、それぞれの法律によって定められています。
まとめ
- 課徴金とは、違法行為などにより法が予定しないような利得を得た場合に、その利益を国庫に納入させる制度です。
- 刑事罰は違反行為の反社会性・反道徳性に対する制裁であり、課徴金とは趣旨・目的が異なります。
- 課徴金の賦課と刑事罰は、趣旨・目的・手続などが異なります。
- 両者は趣旨・目的・手続などが異なるため、同じ行為について併科しても、憲法39条の二重処罰の禁止には違反しません。
