聴聞とは、行政庁が不利益処分をする前に、その処分の名あて人となるべき者へ意見を述べる機会を与える手続です。行政庁は、聴聞を行うべき期日までに相当な期間をおいて、対象者へ書面で通知しなければなりません。
通知をせずに聴聞手続を行った上で不利益処分がなされた場合、その不利益処分は取消事由となると解されています。通知書には、法律上知らせるべき通知事項のほか、聴聞で行使できる権利を知らせる教示事項も記載されます。
聴聞の通知書に記載される4つの通知事項
行政手続法15条1項により、通知書には次の事項を記載します。
- 予定される不利益処分の内容と根拠となる法令の条項
どのような処分が予定されているのか、また、その処分の根拠となる法令の条項を示します。 - 不利益処分の原因となる事実
不利益処分の原因となる事実を記載します。 - 聴聞の期日と場所
聴聞をいつ、どこで行うのかを明らかにします。 - 聴聞に関する事務を所掌する組織の名称と所在地
聴聞に関する事務を所掌する組織の名称と所在地を記載します。
通知書で教示される聴聞に関する権利
通知書には、次の事項も教示されます。
- 聴聞の期日に出頭して意見を述べ、証拠書類や証拠物を提出できること
- 聴聞の期日への出頭に代えて、陳述書と証拠書類・証拠物を提出できること
- 聴聞が終結するまで、不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求められること
通知事項と教示事項の違い
通知事項は、予定される不利益処分の内容・根拠、原因となる事実、聴聞の期日や場所など、行政庁が通知しなければならない事項です。一方、教示事項は、意見や証拠の提出、資料の閲覧といった手続上の権利を知らせるものです。どちらも通知書に記載されますが、役割は異なります。
公示送達とは?所在不明の場合の聴聞通知の方法
不利益処分の名あて人となるべき者の所在が判明しない場合、行政庁は公示送達を利用できます。具体的には、通知事項を記載した書面を、行政庁の事務所の掲示場に掲示します。
掲示を始めた日から2週間を経過したとき、名あて人に通知が到達したものとみなされます。到達したものとみなされた者は、聴聞手続上、当事者と呼ばれます。
まとめ
聴聞の通知書には、予定される不利益処分の内容・根拠、原因となる事実、聴聞の期日・場所、聴聞に関する事務を所掌する組織の名称・所在地を記載します。また、意見や証拠の提出、資料の閲覧を求められることも教示されます。名あて人となるべき者の所在が判明しないときは公示送達が行われ、掲示開始から2週間を経過すると通知が到達したものとみなされます。
