1. 意見公募手続とは
1-1. 意見公募手続の意味
意見公募手続とは、行政機関が政令・省令などの「命令等」を定めようとする場合に、その案と関連資料をあらかじめ公示し、広く一般から意見や情報を募る制度です。
意見を提出できるのは日本国民に限られません。外国人や、内国企業・外国企業も対象となります。
1-2. 対象となる「命令等」
対象となる命令等には、政令、省令、府令などがあります。これらを定める行政機関を命令等制定機関といいます。
命令等制定機関には、根拠となる法令の趣旨に適合する内容を定める法的義務があります。また、制定後も、実施状況や社会経済情勢の変化を踏まえて内容を検討し、適正を確保するよう努めます。
2. 意見公募手続が適用されない場合
2-1. 制度の対象外となる命令等
次のような命令等には、命令等制定の一般原則や意見公募手続などの規定が適用されません。
- 法律の施行期日を定める政令
- 恩赦に関する命令
- 処分に該当する命令・規則
- 施設、区間、地域などを指定する命令・規則
- 公務員の給与、勤務時間などの勤務条件を定める命令等
- 法令の規定などにより、または慣行として、もしくは命令等制定機関の判断により公にされるもの以外の審査基準、処分基準、行政指導指針
- 行政組織内部や行政主体相互間の関係に関する命令等で、国民の権利義務に直接関わらないもの
2-2. 意見公募手続を実施しなくてもよい場合
対象となる命令等であっても、次の場合には意見公募手続を実施しないことができます。
- 公益上、緊急に定める必要があり、実施が困難な場合
- 納付すべき金銭について定める法律の制定・改正により必要となる、金銭の額の算定の基礎となる金額・率・算定方法などを定める場合
- 予算に基づく金銭の給付決定に必要となる、金銭の額の算定の基礎となる金額・率・算定方法などを定める場合
- 法律に基づき、相反する利害を有する者と公益をそれぞれ代表する委員で組織される委員会等の審議を経て定める場合
- 他の行政機関が意見公募手続を行って定めた命令等と実質的に同一の場合
- 法令の適用・準用に必要な技術的な読替えを定める場合
- 根拠法令の削除に伴い、当然に廃止する場合
- 他の法令の制定・改廃に伴う整理など、意見公募手続を実施する必要のない軽微な変更の場合
2-3. 手続を実施しない場合の公示
手続を実施しなかった場合も、原則として、命令等の題名・趣旨、手続を実施しなかったこと、そしてその理由を公示します。ただし、一定の委員会等が意見公募手続に準じた手続を実施した場合は、命令等制定機関が重ねて手続を行わなくてもよいとされています。
3. 命令案の公示から意見募集までの流れ
3-1. 命令等の案と関連資料を作成する
まず、命令等制定機関が案と関連資料を作成します。案は具体的かつ明確でなければならず、命令等の題名と、根拠となる法令の条項も明示します。
3-2. 案・資料・意見提出先などを公示する
次に、案と関連資料をあらかじめ公示し、意見の提出先と提出期間を定めます。公示は、インターネット上のホームページへの掲載など、情報通信技術を利用する方法で行います。必要に応じて、手続の実施を周知し、関連情報を提供するよう努めます。
3-3. 意見提出期間を設けて広く意見を募集する
意見提出期間は、公示の日から起算して30日以上としなければなりません。ただし、やむを得ない理由がある場合は30日未満とすることもできます。その場合は、公示の際に短縮理由を明らかにしなければなりません。期間内に提出された案についての意見や情報が、意見公募の対象となります。
4. 意見募集後の取扱い
4-1. 提出された意見を十分に考慮する
命令等制定機関は、提出期間内に出された意見を十分に考慮しなければなりません。
4-2. 命令等を定めた場合の結果の公示
命令等を定めた場合は、公布と同時期に、次の事項を公示します。
- 命令等の題名
- 案を公示した日
- 提出意見、または意見がなかったこと
- 意見を考慮した結果とその理由
- 案と最終的な命令等に違いがある場合は、その内容
提出意見そのものに代えて、整理・要約した内容を公示することもできます。この場合は、公示後遅滞なく、提出意見を事務所への備付けなどの適当な方法で公にしなければなりません。ただし、第三者の利益を害するおそれがある場合や、その他正当な理由がある場合は、提出意見の全部または一部を除くことができます。
意見公募手続を実施したにもかかわらず命令等を定めないこととした場合は、その旨や、命令等の題名、案の公示の日を速やかに公示します。
