「地方公共団体には必ず議会がある」と考えがちですが、法律上は例外があります。原則として地方議会は設置されるものの、町村では議会を置かずに「町村総会」を設けることが認められています。
ここでは、地方議会の設置原則と、町村総会との違いを地方自治法に沿って解説します。
地方議会は原則として設置される
憲法と地方自治法が議会の設置を定めている
日本国憲法93条1項は、地方公共団体に、法律の定めるところにより、議事機関として議会を置くと定めています。
この規定を受け、地方自治法89条1項も、普通地方公共団体には、その議事機関として、住民が選挙した議員によって組織される議会を置くと定めています。
地方議会が担う役割
地方議会は、地域の重要な事項を議決する機関です。たとえば、条例の制定・改廃、予算の決定、決算の認定などについて議決します。そのため、地方公共団体では議会を設置することが基本となります。
町村では議会を置かず町村総会を設けられる
町村総会は地方議会の例外
地方自治法94条は、町村について、条例で議会を置かず、選挙権を有する者の総会を設けることを認めています。この総会が町村総会です。
つまり、町村総会はすべての町村に設置が義務付けられている制度ではありません。町村が条例で議会を置かないこととし、選挙権を有する者の総会を設ける場合に利用される例外的な仕組みです。
地方議会と町村総会の違い
| 比較項目 | 地方議会 | 町村総会 |
|---|---|---|
| 設置の位置付け | 設置が原則 | 町村に認められた例外 |
| 対象 | 普通地方公共団体 | 町村のみ |
| 組織する人 | 住民が選挙した議員 | 選挙権を有する者 |
| 設置方法 | 憲法・地方自治法に基づく | 条例で議会を置かないことを定める |
町村総会は、地方議会に追加して設ける制度ではありません。町村において議会を置かない場合に設けられる、議会に代わる制度です。
地方議会の設置についての結論
地方議会は、憲法と地方自治法により設置されるのが原則です。ただし、町村については、条例で議会を置かず、選挙権を有する者の総会を設けることができます。
したがって、正確には、「地方議会の設置が原則だが、町村には町村総会という例外がある」と整理できます。
まとめ
- 地方議会は、地方公共団体の基本的な議事機関として設置される
- 議会は、住民が選挙した議員によって組織される
- 町村では、条例により議会を置かず、選挙権を有する者の総会を設けられる
- 町村総会は、議会と併存するものではなく、議会に代わる例外的な制度である
