地方公共団体の職員とは、都道府県や市町村の事務を担う職員です。職員は、地方公共団体の長の補助機関として、長の指揮監督を受けながら行政事務を処理します。
本記事では、地方自治法172条を中心に、職員を任命する人、職員数の決め方、勤務条件などの身分取扱いについて解説します。
地方公共団体の職員とは
地方公共団体の事務を担う職員
地方公共団体には、長の仕事を補助する職員が置かれます。都道府県では知事、市町村では市町村長が「長」に当たります。
職員は、長の指揮監督のもとで、地方公共団体の事務を実際に処理します。
地方公共団体の長や副知事・副市町村長などとの関係
地方公共団体には、長のほか、副知事・副市町村長、会計管理者なども置かれます。ただし、これらの者と一般の職員は、任命や身分の取扱いについて同じルールが適用されるわけではありません。
一般の職員については、地方自治法172条が基本的な根拠となります。
地方公共団体の職員を任命するのは誰か
任命権者は地方公共団体の長
地方自治法172条1項・2項では、一定の者を除く職員について、地方公共団体の長が任免すると定めています。したがって、一般の職員の任命権者は、都道府県では知事、市町村では市町村長です。
なお、長による職員の任命は、行政処分であると解されています。
会計管理者などは別の選任ルールがある
すべての役職が、一般の職員と同じ仕組みで任命されるわけではありません。たとえば会計管理者は、長が職員の中から1人を選任します。
このように、一般の職員の任免と、会計管理者など特定の役職の選任は区別して考える必要があります。
職員の定数は条例で定める
地方公共団体に置く職員の数、つまり職員の定数は、条例で定められます(地方自治法172条3項)。
重要なのは、定数を決める主体が、任命権者である長ではないという点です。長が自由に決めるのではなく、地方公共団体が条例によって定めます。
ただし、172条3項の定数には、臨時または非常勤の職は含まれません。したがって、臨時・非常勤の職の扱いは、定数とは分けて整理する必要があります。
職員の身分取扱いは地方公務員法で定められる
職員の身分取扱いについては、地方自治法に定めがある場合を除き、地方公務員法が適用されます(地方自治法172条4項)。
地方公務員法で定められる主な事項は、次のとおりです。
- 任用
- 人事評価
- 給与
- 勤務時間その他の勤務条件
- 分限・懲戒
- 服務
- 退職管理
- 研修
- 福祉・利益の保護
つまり、職員に関するすべてのルールを地方自治法だけで確認するのではなく、地方自治法172条を出発点として、具体的な任用・給与・勤務条件・懲戒などについては地方公務員法を確認します。
まとめ
- 地方公共団体の職員は、長の補助機関として地方公共団体の事務を担う
- 一般の職員の任命権者は、都道府県では知事、市町村では市町村長である
- 職員の定数は条例で定められるが、臨時・非常勤の職は172条3項の定数の対象外である
- 任用、給与、勤務条件、懲戒などの身分取扱いは、地方自治法に定めがある場合を除き、地方公務員法で定められる
