公の施設では、普通地方公共団体が指定した法人や団体(指定管理者)に、施設の管理を任せることがあります。このとき、利用者が支払う料金を指定管理者の収入として受け取らせる仕組みが「利用料金制度」です。
指定管理者が自由に料金を決められるわけではありません。料金の決め方には、条例と普通地方公共団体の承認によるルールがあります。
指定管理者の利用料金制度とは
指定管理者が利用料金を収入として受け取る制度
普通地方公共団体は、適当と認める場合、公の施設の利用に係る料金を指定管理者の収入として収受させることができます(地方自治法244条の2第8項)。
ここでいう利用料金とは、公の施設を利用する人が支払う料金です。指定管理者が施設を管理し、その利用者から受け取った料金を自らの収入として扱う点に、この制度の特徴があります。
指定管理者制度との関係
普通地方公共団体が公の施設の管理を指定管理者に行わせるには、あらかじめ議会の議決を経て、条例の定めるところにより、期間を定めて指定する必要があります。条例では、指定管理者の指定の手続、管理の基準、業務の範囲その他必要な事項を定めます。
指定管理者が利用料金を決める方法
原則:条例に基づき、普通地方公共団体の承認を受けて決める
利用料金は、指定管理者が完全に自由に設定できるものではありません。原則として、次の流れで決まります(地方自治法244条の2第9項)。
- 普通地方公共団体が条例で、利用料金の取扱いを定める
- 指定管理者が条例に基づいて料金を定める
- 指定管理者が普通地方公共団体の承認を受ける
つまり、指定管理者に料金を定める役割が認められていても、条例の定めるところにより、普通地方公共団体の承認を受けなければならないのが基本です。
例外:公益上必要があると認められる場合
利用料金は、公益上必要があると認められる場合を除き、原則として、条例で定めるところにより、指定管理者が普通地方公共団体の承認を受けて定めます(地方自治法244条の2第9項)。
指定管理者の事業報告書とは
毎年度終了後に提出する報告書
指定管理者は、毎年度終了後、管理している公の施設の管理業務について事業報告書を作成し、その施設を設置した普通地方公共団体に提出しなければなりません(地方自治法244条の2第7項)。
利用料金制度との関係
利用料金を指定管理者の収入として受け取らせている場合でも、事業報告書の提出義務はあります。利用料金の決定と事業報告書の提出は、それぞれ別に定められた仕組みです。
指定管理者の利用料金制度と事業報告書のポイント
- 利用料金制度は、指定管理者が公の施設の利用料金を収入として受け取る仕組み
- 料金は、原則として条例で定めるところにより、普通地方公共団体の承認を受けて指定管理者が定める
- 公益上必要があると認められる場合は、原則の例外となる
- 指定管理者は、毎年度終了後に事業報告書を作成し、施設を設置した普通地方公共団体へ提出する
まとめ
指定管理者の利用料金制度とは、公の施設の利用者から受け取る料金を、指定管理者の収入とする制度です。料金は指定管理者が自由に決めるのではなく、原則として条例で定めるところにより、普通地方公共団体の承認を受けて定めます。公益上必要があると認められる場合は、原則の例外となります。また、指定管理者には、毎年度終了後に事業報告書を作成し、施設を設置した普通地方公共団体へ提出する義務があります。
