公の施設の利用を断られた場合などには、地方自治法に基づく審査請求を検討できることがあります。ここでは、誰に審査請求をするのか、どのような処分が対象になるのかを解説します。
公の施設の利用処分とは
公の施設の意味
公の施設とは、次の要件をすべて満たす施設をいいます。
- 普通地方公共団体が設置していること
- 住民の利用に供する施設であること
- 住民の福祉を増進する目的で設置されていること
一方、住民の利用を目的としない試験場や研究所、財務上の必要から設置される競馬場などは、公の施設には含まれません。また、国や普通地方公共団体以外の公共団体が設置した施設も対象外です。
公の施設の利用に関するルール
公の施設では、正当な理由がない限り、住民の利用を拒否してはなりません。また、利用について不当な差別的取扱いをすることも禁止されています。
利用拒否などが公の施設を利用する権利に関する処分に当たる場合には、審査請求を検討できます。
公の施設の利用処分について審査請求をする方法
指定管理者などが処分をした場合
公の施設の利用に関する処分を、普通地方公共団体の長以外の機関がした場合は、その施設を設置する普通地方公共団体の長に審査請求をします。
指定管理者による処分も、この対象に含まれます。したがって、指定管理者から利用を拒否された場合でも、指定管理者に審査請求をするのではなく、施設を設置する普通地方公共団体の長に対して行います。長がその機関の最上級行政庁でない場合でも、審査請求の相手は普通地方公共団体の長です。
審査請求の対象となる処分の確認
審査請求をする前に、まず対象施設が地方自治法上の「公の施設」に該当するかを確認します。次に、利用拒否などが、利用する権利に関する処分といえるかを確認します。
指定管理者が関与している場合でも、指定管理者がした利用に関する処分が対象となり得る点に注意が必要です。
審査請求がされた後の手続
普通地方公共団体の長は、審査請求が不適法であり却下する場合を除き、議会に諮問したうえで裁決をしなければなりません。議会への諮問を経て、普通地方公共団体の長がその請求に対する判断を示します。
審査請求が不適法である場合は、議会に諮問したうえで裁決する必要はありません。
まとめ
- 公の施設は、普通地方公共団体が住民の福祉を増進する目的で設置し、住民の利用に供する施設です。
- 正当な理由のない利用拒否や、不当な差別的取扱いは禁止されています。
- 普通地方公共団体の長以外の機関や指定管理者がした利用処分については、施設を設置する普通地方公共団体の長に審査請求をします。
- 審査請求が不適法であり却下される場合を除き、議会への諮問を経て、普通地方公共団体の長が裁決をします。
