国家賠償法4条は、国や公共団体の損害賠償責任について、国家賠償法1条から3条だけでなく、民法の規定も適用すると定めています。
ここでいう「民法の規定」には、民法の条文だけでなく、民法の特別法も含まれると解されています。代表的なものが、失火責任法と自動車損害賠償保障法(自賠法)です。
国家賠償法4条の「民法の適用」とは
国家賠償法1条から3条に加えて民法を適用する
国家賠償法4条は、国または公共団体の損害賠償責任について、前3条の規定によるほか、民法の規定によると定めています。
つまり、国家賠償法1条から3条の規定によるほか、民法の規定も適用されます。
民法の特別法も含まれる
4条の「民法の規定」は、民法という法律の条文だけに限定されません。判例は、民法709条の特別法である失火ノ責任ニ関スル法律(失火責任法)も含まれるとしています。
また、自動車損害賠償保障法も「民法の規定」に含まれると解されています。
一方、国家賠償法5条は、民法以外の他の法律に特別の定めがある場合について、その定めるところによると規定しています。4条と5条は区別して考える必要があります。
国家賠償法4条と失火責任法の関係
公務員の失火にも失火責任法が適用される
失火責任法は、民法709条の特別法です。判例は、国家賠償法4条の「民法の規定」には失火責任法も含まれると判断しています(最判昭53・7・17)。
その結果、公務員の失火責任を追及する場合には、失火責任法により「重大な過失」が要求されます。
国家賠償法4条と自賠法の関係
自動車損害賠償保障法も、国家賠償法4条の「民法の規定」に含まれると解されています。
したがって、国家賠償法4条により、国家賠償法に加えて民法およびその特別法が適用されることになります。
まとめ
- 国家賠償法4条は、1条から3条の規定によるほか、民法の規定を適用する。
- 「民法の規定」には、民法の特別法も含まれる。
- 失火責任法が適用される結果、公務員の失火責任を追及するには重大な過失が要求される。
- 自賠法も4条の「民法の規定」に含まれると解されている。
国家賠償請求では、国家賠償法だけでなく、民法やその特別法の適用関係も確認することが重要です。
