事務監査請求とは、地方公共団体の事務の執行について、住民が監査委員に監査を求める制度です。請求には、選挙権を有する者の一定数の署名が必要です。
ただし、事務監査請求の結果などに不服があっても、住民訴訟を提起することはできません。ここでは、必要な署名数、請求の手続、住民訴訟との違いを説明します。
事務監査請求とは
地方公共団体の事務の執行について監査を求める制度
事務監査請求は、地方自治法75条に定められた住民の直接請求制度の一つです。普通地方公共団体の事務がどのように執行されているかについて、監査委員に監査を求めることができます。
請求先は、その地方公共団体の監査委員です。請求は、署名を集めた請求代表者が行います。監査委員のほか、外部監査人に対する外部監査請求も可能です。
必要な署名数は選挙権を有する者の総数の50分の1以上
事務監査請求には、選挙権を有する者の総数の50分の1以上の連署が必要です。単にその地域に住んでいる人であれば足りるわけではなく、事務監査請求では選挙権を有することが要件となります。
集めた署名は、請求代表者を通じて提出します。たとえば、地域の事務の進め方に問題があると考えても、必要な署名数を満たさなければ、この制度による請求はできません。
事務監査請求の手続と監査結果
請求後は要旨の公表と監査が行われる
請求を受けた監査委員は、請求の要旨を直ちに公表し、請求事項について監査を行います。その後、監査結果に関する報告を請求代表者に送付します。
監査結果は公表されるほか、議会、地方公共団体の長、関係行政委員会にも提出されます。
事務監査請求で確認しておきたい点
事務監査請求は、地方公共団体の事務の執行を監査してもらうための制度です。条例の制定・改廃、議会の解散、長や議員の解職を求める請求とは、目的も手続も異なります。
また、事務監査請求の結果などに不服があっても、住民訴訟を提起することはできません。
事務監査請求と住民訴訟の違い
事務監査請求は監査を求める手続
事務監査請求は、一定数の署名を集めた住民が、監査委員に地方公共団体の事務の執行を監査するよう求める制度です。請求後は監査委員が監査を行い、その結果を請求代表者などに示します。
事務監査請求の結果などに不服があっても、住民訴訟を提起することはできません。
事務監査請求の結果から住民訴訟には進めない
事務監査請求の結果などに不服があっても、住民訴訟を提起することはできません。
地方公共団体の財務上の行為などについては、事務監査請求とは別に、住民監査請求の制度があります。
まとめ
- 事務監査請求とは、普通地方公共団体の事務の執行について、監査委員に監査を求める制度です。
- 請求には、選挙権を有する者の総数の50分の1以上の連署が必要です。
- 請求代表者が監査委員に請求し、監査委員は要旨を公表したうえで監査し、結果を送付・公表します。
- 事務監査請求の結果などに不服があっても、住民訴訟を提起することはできません。
