会計参与とは、取締役などと共同して会社の計算書類を作成する会社法上の役員です。株主総会で選任される機関である点が特徴です。
会計参与の設置は義務ではありません。会社が定款に定めれば、任意で設置できます。
会計参与とは
会計参与の意味
会計参与は、取締役と共同して計算書類等を作成します。指名委員会等設置会社では、取締役ではなく執行役と共同して職務を行います(会社法329条1項、374条1項)。
計算書類とは、会社の財務状況を明らかにするための書類です。具体的には、次の4つを指します(会社法435条2項)。
- 貸借対照表
- 損益計算書
- 株主資本等変動計算書
- 個別注記表
会計参与に設置義務はあるのか
会計参与の設置は任意
会計参与は、すべての株式会社に設置が義務づけられているわけではありません。会社が定款で定めることにより設置できます(会社法326条2項)。人数についても、法律上の一律の指定はありません。
会計参与の主な役割と権限
取締役と共同して計算書類を作成する
会計参与の中心的な役割は、取締役などと共同で計算書類を作成することです。
会計帳簿の閲覧や報告を求めることができる
会計参与は、いつでも会社の会計帳簿等を閲覧・謄写し、取締役や支配人その他の使用人に会計に関する報告を求められます。また、職務を行うため必要があるときは、子会社への報告請求や、会社・子会社の業務や財産状況の調査も可能です(会社法374条2項・3項)。
不正や重大な法令違反を発見した場合の報告
取締役などの職務執行について、不正行為や法令・定款違反の重大な事実を発見した場合、会計参与は報告しなければなりません。報告先は、原則として株主ですが、監査役設置会社では監査役、監査役会設置会社では監査役会です(会社法375条1項・2項)。
その他の職務上の義務
会計参与には、計算書類の承認をする取締役会への出席義務があります。また、株主総会で会計参与として意見を述べることもできます。さらに、会社が行うのとは別に、会計参与が定めた場所に計算書類と会計参与報告を5年間備え置き、株主や債権者の閲覧・謄写に供する義務があります(会社法376条~378条)。
会計参与になれる人と選任方法
会計参与になれる資格
会計参与は、次の専門家から選任しなければなりません(会社法333条1項)。
- 公認会計士
- 監査法人
- 税理士
- 税理士法人
兼任できない役職
職務の適正をはかるため、会計参与は、その会社または子会社の取締役、監査役、執行役、支配人その他の使用人を兼ねられません(会社法333条3項1号)。
選任方法と任期
会計参与は、株主総会の普通決議で選任します。ただし、議決権を行使できる株主の議決権について、定足数を3分の1未満にすることはできません(会社法329条、341条)。
任期は、原則として、選任後2年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結時までです。公開会社でない株式会社では、定款により、選任後10年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結時まで伸長できます(会社法332条、334条)。
なお、会計参与は、株主総会において、会計参与の選任、解任または辞任について意見を述べることができます。また、会計参与を辞任した者は、辞任後最初に招集される株主総会に出席して、辞任した旨とその理由を述べることができます(会社法345条1項、2項)。
まとめ
会計参与とは、取締役などと共同して計算書類を作成する会社法上の役員です。設置は義務ではなく、定款で定めれば任意に設置できます。公認会計士や税理士などの専門家から選任され、会計帳簿の確認、報告請求、不正発見時の報告などを行います。
