会計参与は、取締役と共同して株式会社の計算書類を作成する役員です。帳簿を確認したり、会社や子会社の会計・財産状況を調査したりする権限も持ちます。一方、不正や重大な法令違反を発見した場合の報告など、一定の義務も負います。ここでは、会計参与の権限と義務を初心者向けに整理します。
会計参与とは?計算書類の作成を担う役員
会計参与の役割と設置
会計参与は、株主総会で選任され、取締役と一緒に計算書類を作成する機関です。設置は義務ではなく、定款に定めることで株式会社に置くことができます。設置人数も任意です。
会計参与が作成する計算書類
会計参与が取締役と共同して作成する計算書類は、次の4つです。
- 貸借対照表
- 損益計算書
- 株主資本等変動計算書
- 個別注記表
これらは、会社の財務状況を明らかにするために作成される書類です。
会計参与になれる人と兼任の制限
会計参与になれるのは、公認会計士、監査法人、税理士または税理士法人に限られます。また、公正な職務のため、会社または子会社の取締役、監査役、執行役、支配人その他の使用人を兼ねることはできません。
会計参与の権限|帳簿の閲覧や会社・子会社の調査
会計帳簿等の閲覧・謄写と報告請求
会計参与は、いつでも会社の会計帳簿等を閲覧・謄写できます。また、取締役や支配人その他の使用人に、会計について報告するよう求めることも可能です。
子会社への報告請求・業務財産調査
職務を行うため必要があるときは、子会社に会計上の報告を求めたり、会社または子会社の業務・財産の状況を調査したりできます。ただし、必要性のない調査まで無制限に認められる権限ではありません。
取締役会への出席と株主総会での意見陳述
会計参与には、計算書類を承認する取締役会への出席義務があります。また、株主総会で会計参与として意見を述べる権利も認められています。
会計参与の義務|不正の報告と計算書類等の備置き
取締役等の不正や重大な法令違反を報告する義務
職務を行うに際して、取締役などの職務執行について不正の行為、または法令・定款に違反する重大な事実を発見した場合、報告しなければなりません。報告先は、株主です。ただし、監査役設置会社では監査役、監査役会設置会社では監査役会に報告します。軽微な問題ではなく、重大な事実が対象となる点に注意が必要です。
計算書類と会計参与報告を5年間備え置く義務
会計参与は、会社が備え置くものとは別に、自ら定めた場所に計算書類と会計参与報告を5年間備え置かなければなりません。株主や債権者の閲覧または謄写に供する必要があります。
まとめ|会計参与は「作成する役割」と「確認・報告する権限・義務」を持つ
会計参与の中心的な職務は、取締役と共同して計算書類を作成することです。そのため、会計帳簿の閲覧・謄写、報告請求、会社や子会社の調査が認められています。また、不正や重大な法令・定款違反を発見したときは、株主や監査役等への報告が必要です。取締役会への出席と、計算書類・会計参与報告を5年間備え置くことも重要な義務です。
