募集株式の株主割当てとは?通知・申込みの手続を解説

募集株式の株主割当てとは、株式会社が発行する新株を、既存の株主に引き受けてもらう方法です。株主は、会社から通知を受けた後に申込みを行い、割当てを受けた株式について払込みをします。

ただし、申込みや払込みを期限内に行わなければ、株式を取得できなくなるため注意が必要です。

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募集株式の株主割当てとは

株主割当ての意味

募集株式は、会社成立後に株式会社が発行する新株をいいます。株主割当ては、その募集株式の割当てを受ける権利を、既存株主に与える制度です。株主以外の者を対象とする第三者割当てや、公募とは異なり、現在の株主を対象にします。

株主割当てであっても、株主が無償で株式を取得できるわけではありません。割当てを受けた株式の払込金額を支払う必要があります。

株式の無償割当てとの違い

株主割当てでは、株主が申込みをし、割当て後に払込みを行います。一方、株式の無償割当ては、株主に新たな払込みをさせずに株式を割り当てる制度です。両者は、株主に株式を与える点は共通しますが、払込みの有無と手続が異なります。

株主割当てを行うために会社が決める事項

募集事項の内容

会社は、募集ごとに、次の募集事項を定めます(会社法199条1項、202条1項)。募集事項は、募集ごとに均等に定めなければなりません(会社法199条5項)。

  • 募集株式の数(種類株式発行会社では、募集株式の種類と数)
  • 募集株式の払込金額またはその算定方法
  • 現物出資をするときの財産の内容・価額など
  • 払込期日または払込期間
  • 増加する資本金・資本準備金に関する事項
  • 株主に割当てを受ける権利を与える旨
  • 引受けの申込期日

募集事項を決定する機関

公開会社でない株式会社では、原則として株主総会の特別決議で募集事項を決めます。この決議により、取締役または取締役会へ決定を委任することもできます。また、株主割当ての場合は、定款の定めにより、取締役または取締役会が決定できる場合があります。

公開会社では、原則として取締役会の決議で決定します。ただし、株主割当て以外の方法で発行する場合に、特に有利な払込金額を定めたときは、特に有利な発行を必要とする理由を説明した上で、株主総会の特別決議による承認が必要です。

募集株式の株主割当てにおける通知・申込み・払込みの流れ

1.会社が株主へ通知する

会社は、申込期日の2週間前までに、株主へ募集事項、株主に割り当てる募集株式の数、申込期日を通知します(会社法202条4項)。

2.株主が引受けを申し込む

株主は、書面または電磁的方法で申込みを行います。申込期日までに申込みをしなかった場合、その株主は募集株式の割当てを受ける権利を失います。申込みだけで株主になるわけではなく、続いて割当てと出資の履行が必要です。

3.会社が株式を割り当てる

会社は、申込みをした株主について募集株式を割り当てます。募集株式が譲渡制限株式である場合を除き、申込者に対する割当ては、取締役(取締役会設置会社では取締役会)が自由に定めることができます。割当てを受けた者が、募集株式の引受人となります。

4.株主が払込みをする

引受人は、払込期日または払込期間内に、払込金額の全額を会社が定めた銀行などの払込取扱場所で支払います。現物出資の場合は、財産の全部を給付します。出資の履行債務を、会社に対する債権と相殺することはできません。

5.出資の履行により株主となる

払込期日を定めた場合は払込期日に、払込期間を定めた場合は、その期間内に出資を履行した日に株主となります。期限内に出資を履行しなければ、株主となる権利を失います(会社法208条5項、209条1項)。