起訴独占主義・起訴便宜主義を理解する前に
起訴とは
犯罪が発生し、警察が被疑者を逮捕したからといって、必ずしも刑事裁判が行われるとは限りません。検察官が公訴を提起することで、刑事裁判が始まります。
検察官による判断が刑事裁判の開始を左右する
公訴を提起するかどうかについて、検察官には裁量権が認められています。このように、誰が公訴を提起できるのか、また、検察官が公訴を提起するかどうかを決める仕組みに関係するのが、起訴独占主義と起訴便宜主義です。
起訴独占主義とは?公訴を提起できるのは検察官だけ
起訴独占主義の意味
起訴独占主義とは、公訴の提起は検察官だけが行うことができるという原則です。犯罪の被害者や犯罪を告訴・告発した者が、直接公訴を提起することはできません。
起訴独占主義に対する例外
検察官が不起訴処分にした場合、犯罪の被害者や犯罪を告訴・告発した者は、検察審査会に処分の当否の審査を申し立てることができます。また、検察審査会は、その構成員の過半数による議決があるときは、職権で審査を行うこともできます。
検察審査会では、次のいずれかの議決を行います。
- 起訴相当
- 不起訴不当
- 不起訴相当
「起訴相当」の議決について検察官が再捜査し、起訴しないという判断をした場合、再度、検察審査会で審査をします。その結果、起訴をすべきであるという議決があったときは「起訴議決」が行われ、裁判所から指定を受けた弁護士である指定弁護士が公訴を提起します。この場合、被疑者は必ず起訴されます。
起訴便宜主義とは?検察官に起訴・不起訴の裁量が認められる仕組み
起訴便宜主義の意味
起訴便宜主義とは、検察官が公訴を提起するかどうかについて、裁量権が認められていることをいいます。そのため、犯罪が発生し、警察が被疑者を逮捕した場合でも、必ず刑事裁判が行われるとは限りません。
起訴独占主義と起訴便宜主義の違い
起訴独占主義は、誰が公訴を提起できるのかに関する原則です。これに対して起訴便宜主義は、検察官が公訴を提起するかどうかについて裁量権を持つことに関する原則です。前者は公訴提起を行う者の問題であり、後者は公訴を提起するかどうかの判断における検察官の裁量の問題と整理できます。
