外国人が日本の政治に参加できるのか、また公務員への就任が認められるのかは、参政権と公務員就任権の問題です。結論として、国政選挙権は憲法上保障されません。一方、地方選挙については、法律で外国人に選挙権を与えることまで憲法が禁止しているわけではありません。また、公権力の行使などに関わる地方公務員への就任については、日本国籍者を原則とする制度が認められる場合があります。
外国人の参政権は認められる?
国政選挙の参政権は保障されない
参政権とは、国の政治に参加する権利です。国政について最終的な決定権を持つのは日本国民であるという「国民主権」の考え方から、外国人に国政選挙の選挙権が憲法上保障されているとはいえません。
地方選挙は法律で認めることが禁止されていない
最高裁判所は、外国人に地方公共団体の長や議会議員の選挙権を与える法律を制定することは、憲法上禁止されていないと判断しました(最高裁平成7年2月28日判決)。
ただし、これは外国人に地方参政権が憲法上当然に認められるという意味ではありません。「憲法上の権利として保障されないこと」と「法律で付与することが禁止されていないこと」は別です。
外国人に公務員就任権は認められる?
公権力の行使などに関わる地方公務員は日本国籍者が原則
国や地方公共団体の統治については、日本国の統治者である国民が最終的な責任を負うと考えられています。そのため、公権力の行使などに関わる地方公務員には、原則として日本国籍を持つ者が就任することが想定されています。
東京都管理職試験事件
東京都に採用された特別永住者の外国人が、日本国籍がないことを理由に管理職選考の受験を認められなかった事件です。最高裁は、地方公共団体が日本国籍を持つ職員に限って管理職への昇任を認める制度を設けることについて、合理的な理由に基づく区別であると判断しました(最高裁平成17年1月26日判決)。
この扱いは、憲法14条1項の法の下の平等や、労働基準法3条に違反しないとされました。したがって、外国人が地方公務員として勤務していても、公権力の行使などに関わる管理職への就任まで当然に認められるわけではありません。
参政権と公務員就任権の整理
| 問題 | 判例上の考え方 |
|---|---|
| 国政選挙 | 憲法上保障されない |
| 地方選挙 | 憲法上当然には保障されないが、法律で付与することは禁止されていない |
| 公権力の行使などに関わる地方公務員の管理職 | 日本国籍者に限る制度も、合理的理由があれば認められる |
まとめ
外国人には、国民主権との関係から国政選挙に参加する権利は憲法上保障されません。地方選挙は、法律による付与が憲法上禁止されているわけではありません。また、公権力の行使などに関わる地方公務員については、日本国籍者を原則とする制度が認められる場合があります。
