選挙権とは?普通・平等・秘密選挙など5つの原則を解説

選挙権とは、選挙人として選挙に参加できる資格・地位のことです。国民の代表者を選ぶ選挙は、議会制民主主義の基盤といえます。日本の選挙は、主に「普通・直接・自由・平等・秘密」という5つの原則によって支えられています。

選挙権とは?国民が政治に参加するための権利

選挙権の意味

選挙権は、国民が国や地方公共団体の公務員を選ぶための権利です。憲法15条1項は、公務員を選び、または罷免することを国民固有の権利として保障しています。選挙権は、国民が政治に関わるための参政権の中心となる重要な基本的権利です。

選挙権を保障する憲法上の規定

憲法15条3項は、普通選挙を保障し、同条4項は投票の秘密を保障しています。また、憲法14条1項の「法の下の平等」は、投票価値の平等も要請することに関係します。

選挙の5つの原則

1.普通選挙の原則

普通選挙とは、納税額や財産の有無を選挙権の条件にしない原則です。広い意味では、人種、信条、教育、性別などを理由に選挙権を制限しないことも含みます。財産などによって有権者を限定する制限選挙と対比されます。

2.直接選挙の原則

直接選挙とは、有権者が公務員を直接選ぶ仕組みです。有権者がまず中間の選挙人を選び、その選挙人が公務員を選ぶ間接選挙とは異なります。

3.自由選挙の原則

自由選挙とは、選挙権を行使するかどうかを選挙人の自由に委ねる原則です。投票そのものを義務とする強制投票制とは異なります。

4.平等選挙の原則

平等選挙は、一人一票を原則とし、投票価値の平等も要請されるという考え方です。一人に複数票を認める複数選挙や、票の価値を変える等級選挙とは異なります。根拠として、憲法14条1項の平等原則があります。

5.秘密選挙の原則

秘密選挙とは、投票の秘密を守る原則です。投票内容を明らかにする公開投票制とは異なり、憲法15条4項は投票の秘密を侵してはならないと定めています。

選挙権の制限は認められる?原則と例外

選挙権の制限は原則として許されない

選挙権やその行使を制限することは、原則として許されません。例外的に制限が認められるのは、制限をしなければ選挙の公正を確保しながら選挙権を行使させることが事実上不可能、または著しく困難になるなど、やむを得ない事由がある場合です。

在外邦人の選挙権に関する最高裁判例

最高裁は、以前の制度が在外邦人の投票を衆議院・参議院の比例代表選挙に限り、選挙区選挙への投票を認めていなかった点について、憲法に違反すると判断しました。その後、制度が改正され、在外邦人も選挙区選挙に投票できるようになりました。この判例は、選挙権の制限に厳しい理由が必要であることを示しています。

まとめ:選挙には5つの原則がある

選挙権とは、選挙人として選挙に参加できる資格・地位です。選挙には、次の5原則があります。

  1. 普通選挙
  2. 直接選挙
  3. 自由選挙
  4. 平等選挙
  5. 秘密選挙

選挙権の制限は原則として許されず、例外にもやむを得ない事由が必要です。