復代理とは?復代理人の選任要件と代理人の責任を解説

復代理とは、代理人が別の人を選び、その人が本人を代理する制度です。復代理人を選任できるかどうかは、任意代理か法定代理かによって異なります。また、復代理人の行為に問題が起きた場合、元の代理人がどの範囲で責任を負うかも重要です。

復代理とは?復代理人と代理人の違い

復代理の意味

復代理とは、代理人が選任した者が、本人を代理することをいいます。この者を復代理人と呼びます。

復代理人は「代理人の代理人」ではありません。あくまで本人の代理人です。そのため、復代理人が与えられた権限の範囲内で行った行為の効果は、本人に直接生じます。

復代理人を選任しても元の代理権は消滅しない

代理人が復代理人を選んでも、代理人自身の代理権がなくなるわけではありません。代理人と復代理人のいずれも、権限の範囲内で本人を代理できます。

復代理人の権限と義務

復代理人は、与えられた権限の範囲内で、代理人と同じように本人を代理します。そのため、本人や第三者に対して、代理人と同じ権利を持ち、同じ義務を負います。

復代理人が相手方から金銭などを受け取った場合、本人に対して受け取った物を引き渡す義務を負うほか、代理人に対しても引き渡す義務を負います。ただし、本人または代理人のいずれかに引き渡せば、他方に対する義務も消滅します。

復代理人を選任できる要件

任意代理人の場合

任意代理とは、本人の意思に基づいて代理権が与えられる代理です。任意代理人は、原則として自由に復代理人を選任できません。次のいずれかの場合に限り、選任できます。

  1. 本人の許諾を得たとき
  2. やむを得ない事由があるとき

任意代理では、本人と代理人の信頼関係が重視されるため、このような制限が設けられています。

法定代理人の場合

法定代理とは、法律の規定によって代理権が生じる場合です。法定代理人は、自己の責任で自由に復代理人を選任できます。任意代理人のように、本人の許諾ややむを得ない事由が必要となるわけではありません。

区分 復代理人を選任できる場合
任意代理人 本人の許諾を得たとき、またはやむを得ない事由があるとき
法定代理人 自己の責任で自由に選任できる

復代理人の行為について代理人が負う責任

任意代理人の責任

任意代理人の復代理人の行為に問題が生じた場合には、本人と代理人との間の代理権授与契約の債務不履行の問題となり、代理人は本人に対して債務不履行責任を負います。

法定代理人の責任

法定代理人は、原則として復代理人の行為について全責任を負います。これは、法定代理人が自己の責任で復代理人を選任するためです。

ただし、やむを得ない事由によって復代理人を選任した場合は例外です。この場合、法定代理人は、復代理人の選任や監督についてのみ責任を負います。

任意代理と法定代理の責任の違い

区分 代理人の責任
任意代理人 本人に対する債務不履行責任を負う
法定代理人 復代理人の行為について全責任を負うのが原則
法定代理人がやむを得ない事由で選任した場合 復代理人の選任・監督についてのみ責任を負う

まとめ

復代理とは、代理人が選任した者が本人を代理する制度です。復代理人は代理人の代理人ではなく、本人の代理人として行為をします。

  • 任意代理人は、本人の許諾またはやむを得ない事由がなければ復代理人を選任できない
  • 法定代理人は、自己の責任で自由に選任できる
  • 任意代理では、本人に対する債務不履行責任を負う
  • 法定代理では、復代理人の行為について全責任を負うのが原則
  • やむを得ない事由がある場合、法定代理人の責任は選任・監督上の責任に限られる