所有者不明土地・建物管理人の解任・辞任・報酬について解説

所有者不明土地・建物管理人は、所有者を知ることができず、又はその所在を知ることができない土地・建物などを、裁判所の命令に基づいて管理する者です。管理人を交代させる方法には、裁判所による解任と、管理人自身による辞任があります。また、管理人は管理に必要な費用の前払いや報酬を受けることができます。

所有者不明土地管理人と所有者不明建物管理人は、基本的なルールが共通しています。

所有者不明土地・建物管理人を解任できるケース

解任の要件

管理人が次のような状態にある場合、裁判所は解任することができます。

  • 任務に違反し、その結果、所有者不明土地・建物等に著しい損害を与えた場合
  • その他、重要な事由がある場合

解任には、任務違反による著しい損害や、その他の重要な事由が必要です。単に管理人の対応や判断に不満があるというだけで、必ず解任されるわけではありません。

解任を請求できる人と判断機関

解任を請求できるのは、管理対象の土地・建物などについて法律上の利害を持つ利害関係人です。解任の可否を決めるのは、裁判所です。

所有者不明土地管理人の解任は民法264条の6第1項、所有者不明建物管理人については同法264条の8第5項が根拠となります。

所有者不明土地・建物管理人は辞任できるのか

辞任には正当な事由と裁判所の許可が必要

管理人は、正当な事由がある場合、裁判所の許可を得て辞任できます。管理人が一方的に辞任を申し出ただけで、直ちに退任できるわけではありません。

辞任には、正当な事由と裁判所の許可が必要です。所有者不明土地管理人については民法264条の6第2項、所有者不明建物管理人については同法264条の8第5項が根拠です。

解任と辞任の違い

解任と辞任は、どちらも管理人が職務を離れる手続ですが、きっかけと理由が異なります。

  • 解任:任務違反による著しい損害などがある場合に、利害関係人の請求を受けて裁判所が行う
  • 辞任:管理人自身に正当な事由がある場合に、管理人が裁判所の許可を得て行う

所有者不明土地・建物管理人の報酬と費用

管理人は報酬と費用の前払いを受けられる

管理人は、所有者不明土地・建物等から、裁判所が定める額の費用の前払いや報酬を受けることができます。

報酬や費用の額を管理人が自由に決めるのではなく、裁判所が定める点に注意が必要です。

報酬・管理費用を負担する人

管理に必要な費用と管理人の報酬は、所有者不明土地・建物等の所有者が負担します。共有持分が管理対象の場合は、その共有持分を有する者が負担します。

根拠条文は、所有者不明土地管理人について民法264条の7、所有者不明建物管理人について同法264条の8第5項です。

まとめ

所有者不明土地・建物管理人は、任務違反により著しい損害を与えた場合や、その他の重要な事由がある場合に、利害関係人の請求によって裁判所から解任されることがあります。一方、管理人自身が辞任するには、正当な事由と裁判所の許可が必要です。

また、管理人は裁判所が定める報酬と、管理に必要な費用の前払いを受けられます。これらは、所有者または管理対象となる共有持分を有する者が負担します。