売買契約では、引き渡された物が契約で予定された種類・品質・数量に適合していないと、売主が契約不適合責任を負うことがあります。もっとも、契約書などで「売主は契約不適合責任を負わない」といった特約を設けることも可能です。
契約不適合責任を負わない特約は原則として有効
契約不適合責任とは
契約不適合責任とは、売主が契約の内容に適合する目的物を引き渡さなかった場合に負う責任です。たとえば、契約で定めた品質を備えていない物や、合意した数量に足りない物が引き渡されたケースが該当します。
契約不適合がある場合、買主は原則として、次の請求などを検討できます。
- 修補や不足分の引渡しなどを求める追完請求
- 代金の減額請求
- 損害賠償請求
- 契約の解除
免責特約が有効とされる理由
契約不適合に基づく売主の担保責任に関する規定は、当事者の合意によって変更できる任意規定です。そのため、担保責任を負わない旨の特約を置くこと自体は原則として有効です。
ただし、特約の対象となる範囲では、買主は契約不適合を理由として売主に責任を追及できないことがあります。
免責特約があっても売主が責任を免れない場合
売主が知りながら告げなかった事実がある場合
売主が知りながら買主に告げなかった事実については、免責特約があっても責任を免れません。
免責特約によって、売主が知りながら告げなかった事実まで免責されるわけではありません。
売主が自ら第三者のために設定・譲渡した権利がある場合
売主が自ら第三者のために設定した権利、または第三者に譲り渡した権利についても、免責特約を理由に責任を免れることはできません。
免責される場合とされない場合の整理
- 原則:契約不適合責任を負わない特約は有効。
- 例外:売主が知りながら告げなかった事実や、売主が自ら第三者のために設定・譲渡した権利については免責されない。
したがって、免責特約の有効性を判断する際は、特約の内容だけでなく、売主が告げなかった事実や第三者のために設定・譲渡した権利の有無も確認する必要があります。
まとめ
契約不適合責任を負わない旨の特約は、原則として有効です。ただし、売主が知りながら買主に告げなかった事実や、売主が自ら第三者のために設定・譲渡した権利については、特約があっても責任を免れません。
