共同不法行為とは?複数人が損害を与えた場合の連帯責任と求償を解説

共同不法行為とは

共同不法行為とは、数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えることです。民法719条が定める特殊な不法行為の一つです。

誰の行為で損害が発生したか分からない場合

共同行為者のうち、誰の行為によって損害が発生したのか分からない場合も、同様に扱われます。

教唆・幇助をした人も含まれる

行為者を教唆した教唆者や、行為を幇助した幇助者は、共同行為者とみなされます。

共同不法行為者は被害者に対して連帯責任を負う

各自が連帯して損害を賠償する

数人が共同不法行為によって他人に損害を加えたときは、各自が連帯してその損害を賠償する責任を負います。

これは被害者に対する責任の話です。共同不法行為者の間では、過失の割合(負担部分)に応じた求償が認められます。

被害者への賠償と加害者間の負担割合は別

たとえば、AとBが共同不法行為を行い、Aが被害者に損害全額を賠償したとします。この場合でも、Aが最終的に全額を負担するとは限りません。AとBの過失割合(負担部分)に応じて、AはBに求償できます。

共同不法行為者の間で行う求償

負担部分に応じた求償

共同不法行為者の間では、各自の過失の割合(負担部分)に応じた求償が認められます。

なお、現行の民法442条1項は、自己の負担部分を超えるかどうかにかかわらず、連帯債務者間の求償権を有すると規定しています。この規定を共同不法行為に関する判例に当てはめることができるのであれば、自己の負担部分を超えて賠償した場合に限らず、求償権が認められることになります。

使用者責任が関係する場合

被用者と第三者との共同不法行為により他人に損害を加えた場合、第三者が自己と被用者との過失割合に従って定められる自己の負担部分を超えて被害者に損害を賠償したときは、第三者は、被用者の負担部分について使用者に求償できます。

また、共同不法行為の加害者の各使用者が使用者責任を負う場合、一方の加害者の使用者は、当該加害者の過失割合に従って定められる自己の負担部分を超えて賠償したときは、その超える部分について、他方の加害者の使用者に求償できます。ただし、求償できるのは、他方の加害者の過失割合に従って定められる負担部分の限度です。

まとめ

  • 共同不法行為とは、数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えることです。
  • 損害を加えた共同行為者を特定できない場合や、教唆・幇助をした場合も対象になります。
  • 共同不法行為者は、被害者に対して連帯して損害を賠償します。
  • 共同不法行為者の間では、過失の割合(負担部分)に応じて求償が認められます。

被害者への賠償責任と、加害者間の求償は別の問題である点が重要です。