地役権の不可分性とは?土地の共有や分割との関係を解説

地役権の不可分性とは、地役権を土地の共有持分や分割後の一部分だけに切り離して扱えないことをいいます。民法282条は、土地を共有している場合や、土地の分割・一部譲渡があった場合の地役権の効力を定めています。

地役権の不可分性とは

地役権の基本用語

地役権とは、契約で定めた目的に従い、他人の土地を自己の土地の便益に供することができる権利です。

便益を受ける土地を要役地、利用や制限の対象となる土地を承役地といいます。たとえば、要役地から公道へ出るため、承役地を通行できる権利が通行地役権です。

不可分性の意味

地役権は、要役地のため、または承役地について存在する権利です。そのため、共有者の持分だけを対象として地役権を消滅させたり、土地を分割したことだけを理由として地役権を一部だけ消滅させたりすることはできません。

土地の共有や分割があっても、地役権は各共有者や分割後の各土地に関係することになります。

土地を共有している場合の地役権

共有者の一人だけでは地役権を消滅させられない

民法282条1項により、土地の共有者の一人は、その持分について、その土地のために、またはその土地について存在する地役権を消滅させることができません。

  • 要役地を共有している場合:共有者の一人が、自分の持分だけ地役権を消滅させることはできません。
  • 承役地を共有している場合:共有者の一人が、自分の持分だけ地役権を消滅させることはできません。

たとえば、AとBが共有する甲土地のために地役権が設定されている場合、Aは自己の持分のみについて地役権を消滅させることはできません。

土地を分割・一部譲渡した場合の地役権

分割後の土地にも地役権が及ぶ

民法282条2項本文は、土地の分割またはその一部の譲渡があった場合、地役権は、その各部のために、またはその各部について存在すると定めています。

要役地を分割したときは、分割後の各土地のために地役権が存在します。承役地を分割したときは、分割後の各土地について地役権が存在します。

たとえば、甲土地を要役地、乙土地を承役地とする地役権が設定されている場合に、甲土地が甲土地と丙土地に分割されたときは、丙土地についても、乙土地を承役地とする地役権が認められます。

このように、土地を分割・一部譲渡した場合でも、地役権が各部のために、または各部について存在することが、地役権の不可分性の特徴です。