根抵当権の極度額減額請求とは?請求できる条件を解説

根抵当権の極度額は、元本が確定した後、一定の条件を満たせば減額を請求できます。

この記事では、根抵当権の極度額減額請求について、請求できる人や時期、減額後の金額の計算方法を解説します。

根抵当権の極度額減額請求とは

根抵当権の極度額とは

根抵当権とは、継続的な取引などから発生する不特定の債権を、一定の限度で担保する抵当権です。

この担保の上限額を「極度額」といいます。根抵当権者は、確定した元本、利息その他の定期金、債務の不履行による損害賠償について、極度額を限度として根抵当権を行使できます。極度額は、根抵当権設定契約で定められます。

極度額減額請求の意味

極度額減額請求とは、根抵当権設定者が、根抵当権の極度額を一定の金額まで減らすよう求める制度です。民法398条の21第1項に定められています。

減額後の極度額は、元本確定後に現に存在する債務の額に、その後2年間に生ずべき利息その他の定期金と、債務の不履行による損害賠償の額を加えて算定します。

根抵当権の極度額を減額請求できる条件

元本が確定した後であること

極度額の減額請求ができるのは、元本が確定した後です。

元本確定前は、継続的な取引によって新たな債権が発生する可能性があります。そのため、根抵当権が最終的に担保する元本が決まっていない段階では、この制度を利用できません。

元本が確定すると、その時点で根抵当権が担保する元本が確定します。その後、根抵当権設定者が減額請求を行えます。

請求できるのは根抵当権設定者であること

減額請求権を行使できるのは、根抵当権設定者です。

したがって、根抵当権者が自分の判断でこの制度を利用するものではありません。

減額後の極度額はいくらになるのか

減額請求の対象となる金額は、次の合計額です。

  1. 元本確定後に現に存在する債務の額
  2. その後2年間に生ずべき利息その他の定期金
  3. 債務の不履行によって生じる損害賠償の額

このように、現在の債務額だけに減額されるわけではありません。その後2年間に生ずべき利息その他の定期金と、債務の不履行による損害賠償の額も加えて計算します。

減額請求と根抵当権の消滅請求は異なる

極度額減額請求は、極度額を一定の金額まで引き下げる制度です。

これに対して、根抵当権の消滅請求は、元本確定後に現に存在する債務が極度額を超える場合に、一定の者が極度額相当額を払い渡し、または供託して根抵当権を消滅させる制度です。

両者は、請求できる要件も法律上の効果も異なるため、区別して考える必要があります。

まとめ:根抵当権の極度額減額請求の条件

  • 極度額減額請求は、根抵当権設定者が行う制度
  • 元本が確定した後でなければ請求できない
  • 減額後の極度額は、現存する債務に、その後2年間に生ずべき利息その他の定期金と損害賠償の額を加えた額となる
  • 根抵当権の消滅請求とは、要件も効果も異なる