担保物権とは、債権の担保を目的とする物権です。担保物権を理解するうえでは、「付従性」「随伴性」「不可分性」の3つの性質が重要です。なお、被担保債権とは、担保物権によって担保される債権をいいます。
担保物権に共通する3つの性質とは
| 性質 | 意味 |
|---|---|
| 付従性 | 被担保債権がなければ、担保物権は成立しないという性質 |
| 随伴性 | 被担保債権の移転に伴い、担保物権も移転する性質 |
| 不可分性 | 被担保債権の全部が弁済されるまで、担保物権の効力が担保目的物の全部に及ぶ性質 |
つまり、付従性は「成立・消滅」、随伴性は「移転」、不可分性は「効力の範囲」に関する性質です。
付従性とは
付従性の意味
付従性とは、「担保すべき債権(被担保債権)がなければ、担保物権は成立しない」という性質です。被担保債権が消滅すれば、担保物権も消滅します。
付従性の具体例
たとえば、A銀行がBに1,000万円を貸し付け、Bが所有する土地に抵当権を設定したとします。何らかの理由で契約が無効となり貸金債権が消滅し、又は1,000万円の返済を受ければ、抵当権も消滅します。
根抵当権に関する例外
根抵当権は、元本確定前には、付従性が認められません。
随伴性とは
随伴性の意味
随伴性とは、「被担保債権が債権譲渡等によって移転すると、担保物権も新債権者のために移転する」という性質です。
随伴性の具体例
たとえば、A銀行が、Bに対する貸金債権を担保するため、Bが所有する不動産に抵当権を設定しているとします。この貸金債権がA銀行からC銀行に譲渡されたときは、以後は、C銀行がBに対する抵当権者となります。
根抵当権に関する例外
根抵当権は、元本確定前には随伴性も認められません。
不可分性とは
不可分性の意味
不可分性とは、「被担保債権の全部が弁済されるまで、担保物権の効力は担保目的物の全部に及ぶ」という性質です(296条、305条、350条、372条)。
不可分性の具体例
たとえば、A銀行が、Bに対する1,000万円の貸金債権を担保するため、Bが所有する不動産に抵当権を設定しているとします。Bが500万円を弁済しても、抵当権の効力は、なおBの不動産全部に及び続けます。
まとめ
- 付従性:被担保債権がなければ、担保物権は成立しない
- 随伴性:被担保債権が移転すると、担保物権も新債権者のために移転する
- 不可分性:被担保債権の全部が弁済されるまで、担保物権の効力は担保目的物の全部に及ぶ
ただし、根抵当権は元本確定前には、付従性と随伴性が認められません。
