抵当権の被担保債権の範囲とは?元本・利息・最後の2年分を解説

抵当権の被担保債権とは

被担保債権の意味

被担保債権とは、抵当権によって担保される債権のことです。代表例は、金融機関からお金を借りた場合の貸金債権です。

債務者が返済しないとき、抵当権者は抵当不動産を競売にかけ、その売却代金などから他の一般債権者に優先して弁済を受けられます。

被担保債権の範囲を確認するポイント

抵当権の対象は元本だけではありません。元本に加え、利息やその他の定期金も一定の範囲で含まれます。ただし、利息などについては、後順位抵当権者や一般債権者との関係で、抵当権を行使できる範囲に制限があります。

抵当権の被担保債権に含まれるもの

元本は被担保債権に含まれる

抵当権によって担保される中心は、借入金などの元本です。元本については、利息のような最後の2年分という制限はありません。

利息・その他の定期金は最後の2年分が原則

利息その他の定期金を請求できる場合、民法375条1項本文により、抵当権を行使できるのは、満期となった最後の2年分までです。ここでいう最後の2年分とは、利息などが複数年分発生しているときに、弁済期が後に到来した直近の2年分を指します。

したがって、2年を超えて前に発生した利息などについては、後順位抵当権者や一般債権者との関係では、抵当権を行使できません。

具体例で確認

たとえば、南都信用金庫が加藤さんに4,800万円を貸し付け、その担保として加藤さん所有の倉庫に抵当権を設定したとします。返済が滞り、元本と3年分の利息が未払いになった場合、元本は全額が被担保債権に含まれます。

一方、利息については、原則として満期となった最後の2年分について抵当権を行使できます。3年前に満期となった利息については、後順位抵当権者や一般債権者との関係で、抵当権を行使できません。

「最後の2年分」の制限が適用されない相手

最後の2年分という制限は、後順位抵当権者や一般債権者の利益を保護するためのルールです。そのため、抵当権の設定者である債務者や物上保証人との関係では、この制限は適用されません。

物上保証人とは、自分の不動産を他人の債務の担保に提供した人です。債務者や物上保証人は、元本だけでなく、利息その他の定期金の全額を弁済しなければ、抵当権の消滅を請求できません。

つまり、抵当権を実行して優先弁済を受けられる範囲と、債務者・物上保証人が弁済すべき債務の範囲は別です。この違いを混同しないことが重要です。

まとめ

  • 抵当権の被担保債権には、元本が含まれる
  • 利息その他の定期金も被担保債権となる
  • 後順位抵当権者や一般債権者との関係では、利息などは満期となった最後の2年分に限られる
  • 債務者や物上保証人との関係では、最後の2年分の制限は適用されない