承諾期間のある申込み・ない申込みの撤回と失効を解説

契約の申込みは、相手方が承諾する前であっても、いつでも撤回できるとは限りません。承諾期間を定めた申込みと、承諾期間を定めない申込みでは、撤回できる時期が異なります。また、一定の場合には申込みが失効します。

申込みの「撤回」と「失効」

申込みの撤回

申込みの撤回とは、申込者がした申込みを撤回することです。ただし、法律上、一定の期間は撤回できない場合があります。申込者が撤回する権利を留保していたときは、撤回できる場合があります。

申込みの失効

申込みの失効とは、一定の事情によって申込みが効力を失うことです。承諾期間を定めた申込みでは、期間内に承諾の通知を受けなかったときに失効します。また、対話者に対する申込みでは、一定の場合に対話の終了によって失効します。

承諾期間を定めた申込み

期間中は原則として撤回できない

承諾期間を定めて申込みをした場合、申込者は、その期間中、原則として申込みを撤回できません(民法523条)。ただし、申込者が撤回する権利を留保していた場合は、撤回できます。

期間内に承諾の通知がなければ失効する

承諾期間を定めた申込みについて、期間内に承諾の通知を受けなかったときは、申込みは効力を失います。期間を過ぎた承諾については、申込者は、その遅延した承諾を新たな申込みとみなすことができます(民法524条)。

承諾期間を定めない申込み

相当な期間が経過するまでは撤回できない

承諾期間を定めない申込みも、申込者が承諾の通知を受けるのに相当な期間が経過するまでは、原則として撤回できません(民法525条1項本文)。ただし、申込者が撤回する権利を留保していた場合は、撤回できます(同項ただし書)。

対話者に対する申込みは扱いが異なる

目の前に申込みをする相手方がいるような対話者に対する申込みは、対話が継続している間、いつでも撤回できます(民法525条2項)。また、対話が継続している間に承諾の通知を受けなかったときは、申込みは効力を失います(同条3項)。ただし、申込者が対話の終了後も申込みが効力を失わない旨を表示した場合は、失効しません。

撤回と失効のまとめ

申込みの種類 撤回 失効
承諾期間あり 期間中は原則不可 期間内に承諾の通知がなければ失効
承諾期間なし 相当な期間が経過するまでは原則不可 対話者に対する申込みについては、一定の場合に対話終了で失効
対話者に対する申込み 対話継続中は撤回可能 承諾の通知がなければ失効。ただし、申込者が別段の表示をした場合を除く

このように、承諾期間の有無や対話の状況によって、申込みの撤回や失効の扱いが異なります。期間の定めや撤回権の留保、対話の終了時期を確認することが重要です。