委託を受けていない保証人でも、主たる債務者に代わって弁済その他の債務の消滅行為をした場合は、一定の範囲で求償できます。ただし、請求できる範囲は、主たる債務者の意思に反していたかどうかによって異なります。
- 意思に反しない場合:主たる債務者が債務の消滅行為の当時に受けた利益の限度
- 意思に反する場合:求償時に主たる債務者が現に受けている利益の限度
また、委託を受けていない保証人には、事前求償権は認められません。
委託を受けていない保証人とは?
保証人になる際に主たる債務者の委託は必須ではない
保証契約は、保証人と債権者との間で成立します。そのため、主たる債務者から委託を受けていなくても、保証人になること自体は可能です。
求償権とは、保証人が主たる債務者に代わって債務の消滅行為をした場合に、主たる債務者に対して請求できる権利です。弁済のほか、代物弁済や供託なども含まれます。ただし、支出した額を常に全額請求できるわけではありません。
委託を受けていない保証人が求償できる範囲
主たる債務者の意思に反しない場合
主たる債務者の意思に反しないで保証人となった場合、主たる債務者が債務の消滅行為の当時に受けた利益の限度で求償できます(民法462条1項、459条の2第1項)。
主たる債務者の意思に反して保証人となった場合
主たる債務者の意思に反して保証人となった場合は、求償時に主たる債務者が現に受けている利益の限度でしか求償できません(民法462条2項前段)。
相殺の原因があった場合の扱い
主たる債務者が、求償の日以前に相殺の原因を有していたことを主張する場合、保証人は、相殺によって消滅すべきであった債務について、債権者に履行を請求できます(民法462条2項後段)。
委託を受けていない保証人に認められない求償と請求時期
弁済前の事前求償権は認められない
委託を受けた保証人には、一定の場合に、債権者へ弁済する前でも主たる債務者へ請求できる事前求償権があります。しかし、委託を受けていない保証人には、この事前求償権は認められません。
また、主たる債務の弁済期前に弁済などをした場合、求償権を行使できるのは、主たる債務の弁済期以後です(民法462条3項、459条の2第3項)。
