賃貸借契約の期間は何年まで?存続期間と短期賃貸借を解説

賃貸借契約の期間は、民法上、原則として50年までです。ただし、契約を結ぶ人に目的物を処分する権限がない場合は、目的物の種類に応じた「短期賃貸借」の制限を受けます。

また、建物を所有するための土地の賃貸借には、借地借家法による特別な期間ルールがあります。ここでは、賃貸借契約の期間が何年まで認められるのかを整理します。

賃貸借契約の期間は原則50年まで

50年を超える期間を定めても50年に短縮される

通常の賃貸借契約では、存続期間を50年を超えて定めることはできません。たとえば契約書に「60年間」と記載しても、法律上は50年に短縮されます。

契約を更新する場合も更新時から50年まで

賃貸借契約は更新できます。更新後の期間についても、更新した時点から50年を超えることはできません。

つまり、最初の契約から通算して50年が限度という意味ではありません。更新のたびに、その更新時から50年が上限となります。

短期賃貸借は目的物ごとに期間の上限がある

短期賃貸借が問題となるケース

不在者の財産管理人や、権限を定められていない代理人など、目的物を処分する権限を持たない人が賃貸借契約を結ぶ場合には注意が必要です。この場合、通常の50年ルールではなく、目的物に応じた短期賃貸借期間が適用されます。

ただし、これは一般の賃貸人が結ぶすべての賃貸借契約に適用される制限ではありません。

目的物ごとの短期賃貸借期間

目的物 契約期間の上限
樹木の栽植・伐採を目的とする山林 10年
上記以外の土地 5年
建物 3年
動産 6か月

この期間を超えて契約期間を定めることはできません。たとえば、権限のない代理人が建物を4年間貸す契約を結んでも、短期賃貸借の上限は3年です。

短期賃貸借の更新にも制限がある

短期賃貸借も、定められた上限の範囲内で更新できます。ただし、期間満了前に更新する必要があり、期限は次のとおりです。

  • 土地:期間満了の1年以内
  • 建物:期間満了の3か月以内
  • 動産:期間満了の1か月以内

なお、未成年者や成年被後見人は、短期賃貸借であっても単独で契約できません。

土地・建物の賃貸借には特別な期間ルールがある

建物所有を目的とする土地の賃貸借は30年以上

建物を所有する目的で土地を借りる場合は、借地借家法が適用されます。この場合、借地権の存続期間は30年以上で定めなければならず、30年未満の期間を定めても30年となります。

民法の「50年を超えられない」というルールは上限を示すものです。一方、借地借家法の「30年以上」というルールは、建物所有を目的とする土地の賃貸借について、一定以上の期間を確保するための下限です。したがって、通常の賃貸借と借地借家法が適用される土地の賃貸借では、期間の考え方が異なります。

建物の賃貸借には存続期間の下限がない

建物の賃貸借については、借地権のような存続期間の制限はありません。ただし、期間を1年未満とする建物の賃貸借は、「期間の定めがないもの」とみなされます。