賃料の支払義務と減額請求とは?賃貸借契約を解除できる場合も解説

賃貸借契約では、賃貸人が物件を使用・収益させる一方、賃借人はその対価として賃料を支払います。したがって、賃料の支払いは賃借人の基本的な義務です。ただし、不可抗力による収益減少や、賃借人に責任のない事情で物件の一部を使えなくなった場合には、賃料の減額や契約解除が認められることがあります。

賃貸借契約では賃料を支払う義務がある

賃料は使用・収益の対価として支払う

賃貸借契約は、賃貸人が賃借人に物件を使用・収益させ、賃借人がその対価として賃料を支払う契約です。賃借人は、契約の本旨に従い、賃料を支払わなければなりません。

賃料の支払時期

支払時期について特約があれば、その定めに従います。特約がない場合は、原則として次の時期に支払います。

  • 動産・建物・宅地:毎月末
  • その他の土地:毎年末
  • 収穫の季節がある土地:その季節の後、遅滞なく

賃料の減額が認められる場合

耕作・牧畜用の土地で収益が減少した場合

耕作または牧畜を目的とする土地について、不可抗力によって収益が賃料を下回ったときは、賃借人はその収益額まで賃料の減額を請求できます。賃借人の責任ではなく、不可抗力による収益減少であることが必要です。

賃借物の一部を使用・収益できなくなった場合

賃借物の一部が滅失その他の事由によって使えなくなり、その原因が賃借人の責任ではない場合、使用・収益できなくなった部分の割合に応じて賃料が減額されます。

賃貸借契約を解除できる場合

不可抗力による収益減少が2年以上続いた場合

耕作または牧畜を目的とする土地で、不可抗力により賃料を下回る収益しか得られない状態が引き続き2年以上続いた場合、賃借人は賃貸借契約を解除できます。一時的な収益減少だけで、直ちに解除できるわけではありません。

残った部分だけでは賃借目的を達成できない場合

賃借物の一部が使えなくなった結果、残った部分だけでは賃借をした目的を達成できないときも、賃借人は契約を解除できます。

賃料の減額と契約解除の違い

  • 減額:賃借物の一部が使用・収益できなくなった場合に、使用できなくなった部分の割合に応じて賃料を減額する
  • 解除:賃借物の一部が使用・収益できなくなり、残った部分だけでは賃借目的を達成できない場合に契約を終了させる

まとめ

賃借人は、賃借物を使用・収益する対価として賃料を支払います。ただし、不可抗力によって耕作・牧畜を目的とする土地の収益が賃料を下回った場合や、賃借人に責任のない事情で賃借物の一部を使えなくなった場合には、賃料の減額を請求できます。さらに、収益減少が2年以上続く場合や、残った部分だけでは賃借目的を達成できない場合には、賃貸借契約を解除できます。