遺留分の計算方法とは?基礎財産と具体的な計算例を解説

遺留分とは、被相続人の贈与や遺贈によっても侵害できない、一定の相続人に保障された財産の割合です。計算するときは、まず遺留分を算定するための財産を求め、その金額に全体の遺留分割合をかけ、さらに各相続人の法定相続分に応じて配分します。

遺留分の計算で使う基礎財産とは

遺留分を算定するための財産は、次の式で計算します。

相続開始時の積極財産 + 贈与した財産の価額 - 債務の全額 = 遺留分を算定するための財産

積極財産とは、被相続人が相続開始時に有していた財産のことです。ここに贈与した財産の価額を加え、債務の全額を差し引きます。この財産の価額を基に、遺留分の割合を計算します。

遺留分の計算方法と具体例

1. 全体の遺留分割合を決める

全体の遺留分割合は、相続人の構成によって異なります。

  • 直系尊属のみが相続人の場合:遺留分を算定するための財産の3分の1
  • それ以外の場合:遺留分を算定するための財産の2分の1

配偶者、子、直系尊属は遺留分権利者です。一方、兄弟姉妹には遺留分がありません。

2. 各相続人の遺留分を計算する

まず、遺留分を算定するための財産に全体の遺留分割合をかけて、相続人全体の遺留分を算出します。その後、相続人全体の遺留分に各相続人の法定相続分をかけます。

遺留分を算定するための財産 × 全体の遺留分割合 = 相続人全体の遺留分

相続人全体の遺留分 × 各相続人の法定相続分 = 各相続人の個別的遺留分

3. 計算例

被相続人Aが2,000万円の現金を残して亡くなり、その全額を相続人ではないEに遺贈したとします。相続人は、配偶者Bと子C・Dです。

配偶者と子が相続人なので、全体の遺留分は2分の1です。

2,000万円 × 2分の1 = 1,000万円

配偶者Bの法定相続分は2分の1、子C・Dの法定相続分はそれぞれ4分の1です。そのため、個別的遺留分は次のとおりです。

  • 配偶者B:1,000万円 × 2分の1 = 500万円
  • 子C:1,000万円 × 4分の1 = 250万円
  • 子D:1,000万円 × 4分の1 = 250万円

遺留分を侵害された場合、遺留分権利者は、受遺者または受贈者に対して、遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求できます。

まとめ

  • 遺留分を算定するための財産は「相続開始時の積極財産+贈与財産-債務」で求める
  • 全体の遺留分割合は、直系尊属のみなら3分の1、それ以外は2分の1
  • 各相続人の遺留分は、全体の遺留分に各自の法定相続分をかけて計算する
  • 配偶者・子・直系尊属には遺留分があるが、兄弟姉妹にはない