委任契約の報酬は原則として必要ない
委任契約とは
委任契約とは、委任者が受任者に法律行為を任せ、受任者が承諾することで成立する契約です(民法643条)。法律行為ではない事務を任せる場合は「準委任」と呼ばれますが、委任の規定が準用されます(民法656条)。
委任契約は、一定の仕事を完成させることを約束する請負契約とは異なり、法律行為に関する事務処理を任せる契約です。
特約がなければ無償委任になる
民法上、委任契約は無償が原則です。そのため、報酬を支払うという合意(特約)がなければ、委任者は受任者に報酬を支払う必要がありません(民法648条1項)。報酬を支払う合意がある場合は「有償委任」となります。
無償委任でも、受任者が委任事務を処理するために必要な費用を支出した場合、その費用は報酬とは別に請求できます。受任者は、必要な費用の前払いや、支出した費用の償還を請求できます。
有償委任の報酬はいつ支払うのか
原則は委任事務が終了した後
有償委任では、別段の定めがなければ、委任者は委任事務が終了した後に報酬を支払います(民法648条2項)。
成果の引渡しが必要な場合は引渡しと同時に支払う
委任事務の履行によって得られる成果に対して報酬を支払う契約は、成果報酬型の委任契約です。成果の引渡しが必要な場合、報酬は成果の引渡しと同時に支払います(民法648条の2第1項)。
委任事務が途中で終わった場合の報酬
受任者の責任ではない理由で履行できなくなった場合
委任者の責めに帰することができない事由で事務を履行できなくなった場合や、委任が履行の途中で終了した場合、委任者は、受任者に対して、すでに行われた履行の割合に応じた報酬を支払います(民法648条3項)。
委任者の責任で履行できなくなった場合
一方、委任者の責めに帰すべき事由によって事務を履行できなくなった場合は、委任者は報酬の全額を支払う必要があります(民法536条2項前段)。途中で終わった場合でも、必ず割合払いになるわけではありません。
まとめ
- 委任契約は、特約がなければ無償が原則です。
- 報酬の合意があれば有償委任となります。
- 報酬は、別段の定めがなければ委任事務の終了後に支払います。
- 成果の引渡しが必要な成果報酬型では、引渡しと同時に支払います。
- 途中終了の場合は、原因に応じて履行割合分または全額の報酬が必要です。
