監督義務者責任とは?責任無能力者の不法行為をわかりやすく解説

監督義務者責任とは、責任無能力者が第三者に損害を与えたとき、その者を監督する立場にある人が損害賠償責任を負う制度です。民法714条に定められています。

監督義務者責任とは

責任無能力者に代わって監督者が責任を負う制度

責任無能力者は、不法行為責任を負いません。しかし、被害者が誰にも賠償を求められないと、被害者の保護に欠けます。

そこで民法714条は、責任無能力者の加害行為について、監督義務を怠らなかったことを証明した場合、または監督義務を怠らなくても損害が生ずべきであった場合を除き、責任無能力者を監督する法定の義務を負う者に損害賠償責任を負わせています。親権者、後見人、学校の先生などが例として挙げられます。また、監督義務者に代わって責任無能力者を監督する者は、代理監督者として責任を負います。

監督義務者が責任を免れるケース

監督義務を怠らなかったことを証明した場合

監督義務者が、監督義務を怠らなかったことを証明した場合は、責任を免れます。

監督義務を怠らなくても損害が生ずべきであった場合

監督義務を怠らなくても損害が生ずべきであった場合は、責任を免れます。

整理すると、免責されるのは次の2つの場合です。

  • 監督義務を怠らなかったことを証明した場合
  • 監督義務を怠らなくても損害が生ずべきであった場合

責任能力がある未成年者の場合の監督者責任

民法709条の責任が問題になる

未成年者に責任能力が認められる場合でも、監督義務者の義務違反と未成年者の不法行為および被害者の損害との間に相当因果関係が認められるときは、監督義務者自身が民法709条に基づく損害賠償責任を負うことがあります。

親権者が当然に責任を負うわけではない

責任能力を有する未成年者については、親権者であるという理由だけで直ちに賠償責任を負うわけではありません。親権者の未成年者に対して及ぼしうる影響力が限定的で、親権者において未成年者が不法行為をなすことを予測し得る事情がない場合には、親権者は被害者に対して不法行為責任を負わないとされています。

法定の監督義務者ではない者が責任を負う場合

法定の監督義務者でない人でも、責任無能力者との身分関係や日常生活における接触状況に照らし、第三者に対する加害行為の防止に向けて実際に監督を行い、その監督が単なる事実上の監督を超えているなど、監督義務を引き受けたとみるべき特別な事情がある場合には、法定の監督義務者に準ずべき者として、民法714条1項が類推適用されることがあります。

まとめ

監督義務者責任とは、責任無能力者の加害行為について、その者を監督する人が負う損害賠償責任です。民法714条では、監督義務を怠らなかったこと、または監督義務を怠らなくても損害が生ずべきであったことを証明できれば責任を免れます。

一方、未成年者に責任能力がある場合は、監督義務者について民法709条に基づく責任が問題になります。また、法定の監督義務者でなくても、監督義務を引き受けたとみるべき特別な事情があれば、民法714条1項が類推適用されることがあります。